クイーン自慢

ソロ作品の部屋
(パート2)


■BRIAN MAY

STAR FLEET PROJECT〔無敵艦隊スター・フリート〕
東芝EMI EMS−41013=LP(1983年購入)

ブライアンの初ソロは、仲間達とのお遊び色濃いセッションアルバムでした。しかし、ブライアンがエディ・バン・ヘイレンとお友達とは意外な気がしたもんです。イギリスの人気TVシリーズの主題歌だそうで、息子のお気に入りだったので、ブライアンはレコーディングしたという親バカ丸出しの話も聞いてますが、ロックミュージシャンがTV主題歌を演るなんて、Charがガンダムの主題歌を歌うに等しい行為だったのではないでしょうか(笑)。ま、それはともかく、とてもカッコ良いサウンドになってます。後年「華麗なる復活」のシングルのカップリングとして、日本ではCD化されました。

BACK TO THE LIGHT〔バック・トゥー・ザ・ライト〜光にむかって〜〕
東芝EMI TOCP−7235=CD(1992年購入)

かなり前から準備はされていたものの、フレディの死により発表が遅れていたソロ名義でのブライアン初アルバム。得意のギターオーケストレーションからタイトル曲へ流れ込んでいくオープニングは正にブライアン印(笑)。1993年の来日公演で、オープニングにこの「ザ・ダーク」をバックにスクリーンにブライアンのシルエットが浮かび上がった時の興奮は忘れることは出来ません。ギターももちろんですが、ソングライターとしても優秀な所を見せており、非常に優れたアルバムになっています。頼りなげなボーカルも意外と表情豊かなところを見せ、飽きさせません。真面目な人柄が音に出てます。

LIVE AT THE BRIXTON ACADEMY
 〔ライブ・アット・ザ・ブリクストン・アカデミー〕
東芝EMI TOCP−8152=CD(1994年購入)

1993年秋のブライアン来日公演はとても素晴らしいものでした。それから半年ほどして出たこのライブ盤は、来日公演とほとんど同じ内容で、思い出しながら聴いたものです。ソロアルバムの曲とクイーンの曲との配分が非常に良く飽きさせないし、コージー・パウエルにソロをやらせて見せ場を作るなど、結構気を使っているのもブライアンらしい、唐突に「シンス・ユーブ・ビーン・ゴーン」を演ってるのは、コージーに気を使った結果なのでしょうか(笑)。1993年の来日時、川崎で「手をとりあって」をやってましたが、さすがにこれは日本向けだったようで。ジョン・レノンの「ゴッド」をやったのは新宿だけか。

ANOTHER WORLD〔アナザー・ワールド〕
東芝EMI TOCP−50473=CD(1998年購入)

前作からなんと、6年振りになる2枚目のソロアルバム。コージー・パウエルにとっては遺作になってしまった訳で、ブライアンも友達を次々に亡くして可哀想、とライナーにも書いてあります。が、内容は素晴らしい、傑作です。元クイーンではない、一ミュージシャンとしてのブライアン・メイの本当のスタートと言っても良いのでは。前作が良くも悪くも元クイーンのイメージを損なわないように作られていたような気がしていただけに、吹っ切れた様子のこのアルバムには拍手を送ってしまいました。過去は忘れて自分の好きな音楽を追求するのだ、という姿勢がとても潔くて、ブライアンめちゃカッコいいです。

RED SPECIAL JAPANESE TOUR MINI ALBUM
 〔レッド・スペシャル・ジャパニーズ・ツアー・ミニ・アルバム〕
東芝EMI TOCP−50707=CD(1998年購入)

ソロとして2度目の来日公演直前に、来日記念盤として出た日本企画のミニアルバム。最大の聴き物はなんといっても「ハンマー・トゥー・フォール」のアコースティック・バージョンでしょう。ところで個人的には非常に不満だった1998年の来日公演ですが、開演前にブライアンの従兄弟なる人物が登場して歌ってましたけど、あれ一体誰だったんですか? 帰りの電車にいた女性2人組はあれはスパイクだと言ってたし、とあるHPではブライアン自身だと書き込みがあったし。ま、とにかく、この時はひたすら観客やバンドメンバーに気を使うブライアンが不憫でした。

FURIA 〔「フーリア」オリジナル・サウンドトラック〕
東芝EMI TOCP−65644=CD(2000年購入)

ブライアンの2年振りの新作は、英仏合作映画のサントラだということです。サントラなので、いつものブライアンは期待できませんし、実際あの特徴あるギターもあまり聴けません。普通のソロアルバムとして聴くと、肩すかしを喰うでしょう。しかし、サントラとしては非常に素晴らしい内容です。映画のイメージを喚起させるメロディーをひとつ用意して、それを場面ごとに形を変えて提示する、というとてもオーソドックスな映画音楽の作りです。その辺が上手なので、いやでも映画のイメージが涌いてきて見たくなってしまうのです。またひとつ、ブライアンの意外な才能を発見しました。

RESURRECTION c/w LOVE TOKEN,
 TOO MUCH LOVE WILL KILL YOU
PARLOPHONE 7243 8 80663 2 7=MAXI CD Single(1993年購入)

『バック・トゥー・ザ・ライト』からのシングル。コージー・パウエルを大々的にフィーチャーしてます。確かに、カッコ良い曲ですよね。ステージでも効果的でした。この曲に続いてコージー得意の「1812年」ドラムソロになだれ込んでいった訳です(笑)。これと、この次の2枚は同時に買ったもので、2枚がひとつのケースに納まるようになってます。輸入盤で良くあるパターンですね。

RESURRECTION c/w DRIVEN BY YOU TWO,
 BACK TO THE LIGHT,TIE YOUR MOTHER DOWN
PARLOPHONE 7243 8 80662 2 8=MAXI CD Single(1993年購入)

こちらに収められた「タイ・ユア・マザー・ダウン」のライブバージョンはスラッシュがゲスト参加してる物です。彼は、フレディ追悼ライブでも「タイ・ユア・マザー・ダウン」でギターを弾いてましたね。この曲、好きなんでしょうか(笑)。でも、僕もギタリストだったら絶対にやりたいです。誰かが「ブライアンとスラッシュが並ぶと区別つかない」なんて言ってたので、思わず「服着てるほうがブライアンだろっ!」と言ってしまいました(爆)。通じる人には通じる会話です。

IN FROM THE STORM
RCA VICTOR 09026−68233−2=CD(1996年購入)

エディ・クレーマーがプロデュースしたジミヘンのトリビュートアルバムにブライアンも参加、ニール・マーレイ、コージー・パウエルと録音した「ワン・レイニー・ウィッシュ」を提供しています。このアルバムはエディ・クレーマー指揮のもと、大物ミュージシャンがジミヘンの曲をジャムる、という内容なのですが、ブライアンのみ自らのプロデュースによる単独参加です。そのせいか、アルバム全体からすると浮いてますが、出来は一番です。とにかく、ブライアンもフレディと同じく、何弾いてもブライアン印になってしまう訳で、正にその本領が発揮されたテイクになってます。必聴!

TWNG! A TRIBUTE TO HANK MARVIN & THE SHADOWS
 〔TWANG!ハンク・マーヴィンとシャドウズに愛をこめて〕
東芝EMI TOCP−50010=CD(1997年購入)

ある年代のイギリスのギター小僧たちにとっては、ハンク・マーヴィンはスーパーヒーローだったようで、このトリビュートアルバムにも、リッチー・ブラックモア、ピーター・グリーン、アンディ・サマーズといった錚々たる面々が参加しており、そういった大物に混じってブライアンも「FBI」という曲を演ってます。何を弾いてもブライアンになってしまう人なのですが、この曲に関しては割と原曲のイメージに忠実にプレイしているようです。原曲知りませんけど。さすがに敬愛する人だけに、好き勝手にやることはおそれ多かったのでしょうか(笑)。とてもいいアルバムです。

MISSON:IMPOSSIBLE 2(OST)
 〔ミッション:インポッシブル2 オリジナル・サウンドトラック〕
エイベックス AVCW−13008=CD(2000年購入)

2000年夏話題のトム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル』のサントラアルバムに、ブライアンはフー・ファイターズと共演した「ハブ・ア・シガー」を提供しています。これはカバーで、オリジナルは御存知ピンク・フロイド(『炎−あなたがここにいてほしい』収録、興味がある人は聴いてみて!)。で、そのオリジナルに少しもひけをとらない素晴らしい出来です。入魂のギターソロを披露するブライアンもさることながら、フー・ファイターズもなかなか。これ一曲の為にCDを買っても惜しくない、と言ってもいい位ですが、アルバム自体もクイーン・ファンでなくても楽しめます。一聴の価値あり!

GOOD ROCKIN’ TONIGHT−THE LEGACY OF SUN RECORDS
 〔グッド・ロッキン・トゥナイト〜サン・レコード・トリビュート〕
ワーナー・ミュージック・ジャパン WPCR−11170=CD(2002年購入)

ロックンロール史に大きな足跡を残したサン・レコード(エルビス・プレスリーのデビューもここからだった)の生誕50周年を祝って制作されたアルバム。ポール・マッカートニー、ジミー・ペイジ、ボブ・ディランといった重鎮からシェリル・クロウ、マッチボックス・トゥエンティーといった若手に至るまで、錚々たる面子が参加しています。実に素晴らしいアルバムなので、老いも若きもロック好きなら必聴ですよ。で、ブライアンは「ティージン・アラウンド」というロッカ・バラードを熱唱しており、例のギター・サウンドと共に仲々いい感じです。が、残念ながら日本盤のみのボーナストラックという扱いなのでした(泣)

46664 PART1 AFRICAN PRAYER
〔46664コンサート@ アフリカの祈り:アフリカン・プレイヤー〕
ワーナー・ミュージック・ジャパン WPCR−11845=CD(2004年購入)

あの、ネルソン・マンデラ氏が主催するエイズ撲滅チャリティーコンサートのライブ盤で、ブライアンとロジャーがクイーンとして参加しています。CDは全3枚で、全てにブライアン&ロジャーの演奏が収録されていますので、ファンなら当然買いですね(笑)このパート1には、ロジャーが歌う「セイ・イッツ・ノット・トゥルー」が収められており、なかなか良い曲です。他の収録アーティストはビヨンセ、ボノ、ピーター・ガブリエル等で皆熱演ですが、個人的にはポール・オークンフォード他による「レディ・ステディ・ゴー」というヒップホップ風の曲が気に入りました。

■ROGER TAYLOR

ROGER TAYLOR’S FUN IN SPACE〔ファン・イン・スペース〕
PARLOPHONE 7243 8 38201 2 2=CD(1996年購入)

クイーンのメンバーの中でいち早くソロ活動を開始したのはやはりロジャーでした。シングル「I Wanna Testify」を1977年に発表し、そしてこのアルバムになる訳です。クイーンのアルバムに1曲か2曲入っているロジャー作品の雰囲気をアルバム一枚に拡大した、ある意味では予想通りの内容となりました。もちろんロジャーらしくて良いのですが、他の3人と違い、一般受けしそうな要素があまりないのが残念といえば残念です。この頃のロジャーはクイーンに於いてはスパイスであり、スパイスのみを食べるのはちょっとつらい、と思ってしまいました。

STRANGE FRONTIER〔ロックンロール・フロンティア〕
CAPITOL SJ−12357=LP(1987年購入)

何やかんやクイーンの看板であったフレディやブライアンがまともなソロアルバムを出していない時に、ロジャーは既に2枚目のアルバムを作っていた訳で、やはり鬱積しているものは多かったのでしょうか(笑)。今回はロジャーがスパイスからメインディッシュの一皿に昇格したことを、世間に広く知らしめる内容になっていると思います。「アイ・クライ・フォー・ユー」のバックトラックなんて正に「Radio Ga Ga」ですし。前作と比べるとアイデアの面白さで勝負していたのが、根本的な曲の良さに目を向け始めた、という所も感じられます。

HAPPINESS?〔ハッピネス?〕 東芝EMI TOCP−8290=CD(1994年購入)

思った以上に長く続いたクロスでの活動を経て、ソロアルバムとしてはほぼ10年振り。シンガーソングライター的なたたずまいが感じられるのは気のせいでしょうか。この年(1994年)ロジャーは来日公演を行い、前年のブライアンに続きファンとしては狂喜したもんです。やんちゃ坊主だったロジャーが渋い大人になった、と感じさせるステージであり、このアルバムでありました。好盤です。ちと気に入らないのはあのYOSHIKIと共演してることで、東大寺のコンサートに出演した時、こともあろうにYOSHIKIは「僕の友達」とロジャーを紹介しました。けしからん「Sir」と呼べ!(爆)

ELECTRIC FIRE〔エレクトリック・ファイア〕
東芝EMI TOCP−50706=CD(1998年購入)

目下の所最新作。であると同時にロジャーの最高傑作と言っていいのでは。奇しくもこの1998年、ブライアンも久々のソロアルバムを出しましたが、2人のアルバムに共通しているのは、吹っ切れたという印象。つまり、元クイーンという呪縛から脱し、伸び伸びと自分の音楽を作っているように思われるのです。クイーンのメンバーではない、ロジャー・テイラーというミュージシャンに初めて触れたような新鮮さが感じられました。この調子で活動を続けていって欲しいです。元クイーンという看板がなくても、ロジャーは優れたミュージシャンである事を、このアルバムで彼は証明したのです。

SHOVE IT/THE CROSS〔夢の大陸横断〕
ビクター VJL−28008=LP(1987年購入)

ロジャーが突如結成したバンド、クロスのファーストアルバム、という事にはなっていますが、実際にはアルバム制作はほとんどロジャー一人で行い、完成後オーディションでメンバーを集めたようです。何でも事前にロジャー・テイラーの名前を一切出さずにオーディションは行われたとか。という訳で、クロスとはこの時点ではロジャーのソロプロジェクトだったのですが、このアルバムもそれまでのソロアルバムの延長線上にあると言ってもいいでしょう。でも、それまでの2枚のソロアルバムより良い出来だと思います。フレディが歌う「ヘブン・フォー・エブリワン」収録。

MAD:BAD:AND DANGEROUS TO KNOW/THE CROSS
 〔マッド・バッド・ロックンローラー〕
東芝EMI TOCP−6262=CD(1990年購入)

正直言って、クロスは一枚目のアルバムの後、ツアーをやって消滅したと思ってました。ですから、このセカンドを店で見つけた時には驚きましたね。まだ続いてたのかと。まるっきりロジャーのソロプロジェクトだった前作と違い、ここではロジャー以外のメンバーも曲を書き、ボーカルもやったりして、民主的なバンドになっています。ただ、いかんせん曲の出来が今一つで、ロジャーが書いた2曲とその他の差があり過ぎるという気がします。現在廃盤で、中古CD屋では高値で取引されてるそうです。

BLUE ROCK/THE CROSS〔ブルー・ロック〕
東芝EMI TOCP−6914=CD(1992年購入)

クロス3枚目のアルバムは、前作で見られた曲の出来が今一つ、という弱点を克服して、素晴らしい仕上がりです。音楽的な幅を広げ、アレンジにしても曲にしても非常に練られている、という印象です。ここまで来たのなら、ロジャーにはクロスを続けて欲しかった所ですが(クイーンもなくなった訳だし)、結局このアルバムがクロスとしては最後となりました。残念です。このアルバムも前作同様、中古CD屋では高値がついているそうで、本体クイーンのアルバムは常に手に入りますが、メンバーのソロ作は廃盤が多く、困ったものです。

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