みんなの名盤

投稿No.096 イアラさんの

ロックの道は1日にしてならずぢゃ
−1975年編−


1975年

年間ランキングではシングルがキャプテン&テニールの「愛ある限り」が、アルバムではエルトン・ジョンの「グレイテスト・ヒッツ」がそれぞれ首位を獲得。
この時期のエルトンはアメリカでは異常とも思える人気があり、72年の「ホンキー・シャトー」から本年の「ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ」まで7作連続で1位を獲得する。
前年の「黄昏のレンガ路」に続き本年ではシングル・ヒットの寄せ集めにすぎない「グレイテスト・ヒッツ」までが年間ランキングの首位を獲得。同一アーティストが連続で年間ランキングの首位を獲得したことは史上初である。(サントラ、オリキャ盤は例外としましょう・笑)
更に「キャプテン・ファンタスティック」と「ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ」がこれまた史上初となる初登場1位を獲得。しかも2作連続で。ビートルズやストーンズでさえできなかったことをエルトンがやってのけたことはチャート史に残る事件であった

シングル部門ではエルトン・ジョン、イーグルス、カーペンターズ、バリー・マニロウ、オリヴィア・ニュートンジョン、リンダ・ロンシュタット、アース・ウィンド&ファイア、グランド・ファンク、ジョン・デンヴァー、ポール・マッカートニー&ウイングス、リンゴ・スターらが、アルバム部門ではエルトン・ジョン、ジョン・デンヴァー、イーグルス、レッド・ツェッペリン、ビーチ・ボーイズ、アメリカ、シカゴ、バーブラ・ストライザンド、ピンク・フロイドらがそれぞれ活躍した。

さて、本年からオーナーさんのリアルタイムということで両者を比較してみるのも面白いと思います。
10選で共通しているのは僅かに「オペラ座の夜」だけだったりする訳ですが、「キャプテン・ファンタスティック」「カム・テイスト・ザ・バンド」「ジョージ・ハリスン帝国」「緑の地平線」「メイン・コース」「ヴィーナス・アンド・マース」の6枚は私も持っているし愛聴盤でもあるのでまるっきり趣味が合わない訳ではないんです。(笑) 好きなアルバムが多過ぎて選べないってだけで。(爆)
トミー・ボーリンのパープルはリッチーのいた頃とは全くの別物になってますが、パープルと思わなければかなりイケると思いますよ。リッチー・ファンにはかなり抵抗あるかもしれませんが。未聴の方は是非聴いてみて欲しいですね。
残りの3枚は聴いたこともないです。(汗) ま、このあたりがリアルタイマーと後追いの差だと思うし、また後追い世代がどんなに頑張っても越えられない壁なのではないかと思います。
と、いうことで次回も楽しみです。(お前が言うな!)

1. Physical Graffiti/Led Zeppelin
http://www.hmv.co.jp/product/detail/189156
名作「IV」を継承するツェッペリン・ミュージックの集大成2枚組。収録曲の半分は過去のアウトテイクだけどヨシとしましょう。(笑) UK1位、US1位(6週)

2. A Night At The Opera/オペラ座の夜...Queen
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1087262
クイーンの「サージェント・ペパーズ...」(笑) という評価も納得の歴史的名盤。一家に一枚。UK1位、US4位

3. Blood On The Tracks/血の轍...Bob Dylan
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1832219
全編地味な印象だが穏やかで味わい深い歌を聴かせてくれる傑作。UK4位、US1位(2週)

4. Fleetwood Mac/ファンタスティック・マック...Fleetwood Mac
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1933557
バッキンンガム&ニックスを迎えて生まれ変わったマックのチャート上位常連となった記念碑的作品。US1位(1週)

5. Toys In The Attic/闇夜のヘヴィ・ロック...Aerosmith
http://www.hmv.co.jp/product/detail/970173
エアロの出世作となった3作目。邦題は何だかなぁ。。。US11位

6. Born To Run/明日なき暴走...Bruce Springsteen

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1067933
アメリカの魂、スプリングスティーンの出世作となった3作目。彼は最初の3枚で終わってるような気がしないでもない。(笑)US3位

7. Blow By Blow/ギター殺人者の凱旋...Jeff Beck

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1420675
インスト屋となってしまったベックのソロ第1弾にして初の大ヒット作。グループとしてまとめるのはホントにヘタだったんだなぁと痛感させられた1枚でもある。US4位

8. Have You Never Been Mellow/そよ風の誘惑...Olivia Newton-John

http://www.amazon.co.jp/Have-You-Never-Been-Mellow/dp/B00000DAZ0/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=music&qid=1202130046&sr=1-3
この頃はまだ爽やか&癒し系だった(笑) 歌姫オリヴィアの大ヒット作。US1位(1週)

9. Soap Opera/石鹸歌劇〜連続メロドラマ"虹いろの夢"...The Kinks

http://www.hmv.co.jp/product/detail/651583
まだまだやりたい放題が続くレイ先生だが、本作は毒が幾分抜けて70年代以降では聴きやすいと思うのだが・・・。アメリカでの成績もよくなってるし。(笑) UKチャートインせず、US51位

10. One Of These Nights/呪われた夜...Eagles

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2653835
ウェスト・コーストを代表するアーティストに成長したイーグルスの初の全米No.1アルバム。本作からダークな雰囲気が漂うようになる。US1位(5週)

注) 7位は当時邦題があったが現在では使われていない。


オマケ・シングル10選


  1. Bohemian Rhapsody/Queen
  2. Sailing/Rod Stewart
  3. Theme From Mahogany/マホガニーのテーマ...Diana Ross
  4. Have You Never Been Mellow/そよ風の誘惑...Olivia Newton-John
  5. Lovin' You/Minnie Riperton
  6. Bad Time/Grand Funk
  7. Born To Run/明日なき暴走...Bruce Springsteen
  8. Only Yesterday/Carpenters
  9. Cause We've Ended As Lovers/哀しみの恋人達...Jeff Beck
10. Holiday Romance/The Kinks



MFCオーナーの感想
いよいよやって来ました(笑) 個人的にはロック(=洋楽)元年でもある1975年編が、ついに登場です。待ってました(笑)、イアラさん、ありがとうございます。
今回(おそらく次回以降もずっと)は、僕の年度別10選との比較もありまして、なかなか興味深い内容になってますが(お前が言うな)、イアラさんもおっしゃってるように、違うようでも似てる訳で(笑)、僕の10選には入ってない『ファンタスティック・マック』『闇夜のヘヴィ・ロック』『ギター殺人者の凱旋』『呪われた夜』あたりは、非常に好きなアルバムです。特に『ギター・・・』はオールタイムな名盤と言っていいでしょう。ただ、僕の10選は、好きな・よく聴いたというのに加えて、印象が強い、というのも選択基準に入れてまして、基本的にリアルタイムでないのは、はずしてあります。この4枚は、初めて聴いたのがもうちょっと後だった、というのが選から洩れた理由のひとつでもあるのですね。残念ですが(笑) ま、『闇夜の・・・』を除く3枚は「私選名盤100選」にはしっかり入ってますので、ご安心を(爆)
そういう意味、つまり“リアルタイム重視”というのでいくと、イアラさんが未聴とおっしゃる3枚、つまりパーシー・フェイス2枚とバン・マッコイなんですが、ここいらをはずす訳にはいかないのです。何しろ、僕とっての“洋楽の入り口”は、イージーリスニングとディスコでもある訳なので。この頃、パーシ・フェイスやボール・モーリアといったイージー・リスニングが、どれだけFMで流れていたか、これは当時を知る人でないと分からない訳で、そういう自分が体感して記憶している“時代の空気”みたいなものを、自分の年度別10選では表現したかった、というのがあるんですよ。いわば、“年度別ベスト・アルバムの形を借りた自分史”、というか。ですから、単純に“ベスト・アルバム”だけを選んだのではありません。これは他の年度も同じです。だから、どの時代も廃盤または未CD化が多いのですね(笑)
参考までに、僕のベスト・アルバム選はこちらです(いらないって)。
話戻してイアラさんの10選ですが、やはりよく聴いたのばかりです。ディランとスプリングスティーン以外は(爆) オリビアは、アルバム単位ではちゃんと聴いてないかも。とにかくシングル「そよ風の誘惑」が強烈でした。30年を経た今でも輝きを失わない名曲ですね。ジャケットも素晴らしいです(笑) ツェッペリンの「フィジカル・グラフィティ」は、高校生の頃聴いてました。賛否両論ありますけど、僕は好きなアルバムですね。『U』や『プレゼンス』より好きかもしれません。ヘヴィ・メタリック・ファンク的な「カスタード・パイ」「ワントン・ソング」あたりの路線もいいですけど、全体的に、なんかこう、まったり感が漂ってるのがいいんですよ(笑) そして、やっぱり入ってた(笑)『オペラ座の夜』、これは絶対にはずせませんよね。ほとんど奇跡みたいな名盤です。つーか、この頃は全てのアルバムが奇跡のように聴こえたんですけど(爆) 聴く物全てが新鮮で衝撃的だった時でした。
また、イアラさんも言及しておられますが、この年の大事件といえば、エルトン・ジョンがビルボード史上初の「アルバムチャート初登場一位」を、2作連続で達成してしまったことでしょう。いかに、当時の彼の人気が凄まじかったか、という事ですね。尚、10数年前から、ビルボードはチャートの集計方法を変更した為、今ではアルバム・チャート初登場一位なんてのは、珍しくなくなってしまいました。つまんないの(爆)。ちなみに、この集計方法が変わる前に、アルバム初登場一位を記録したのは、エルトンの2枚と、スティービー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』、ブルース・スプリングスティーンの『ライブ』、ホイットニー・ヒューストンの2nd、の計5枚だけだと記憶してます。人気と、新作に対する世間の期待の大きさが感じられますね。
という訳で、どっぷりと思い出に浸かってしまった「1975年編」でした。次回は、個人的にはロック(=洋楽)に首まで浸かる生活を送るようになった「1976年編」ですね。楽しみにしております。


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