みんなの名盤

投稿No.085 イアラさんの

逆襲のシャア−1967年編−

1967年

前年ビートルズに対抗すべく作り上げられたモンキーズは、3枚のアルバムを連続して1位の座に送り込み、4曲のヒット・シングルを生んだ。特にアルバムは1stと2ndが立て続けに1位となり、何と31週間も1位 の座を独占し、年間チャートでも見事1、2位を独占するのである。これはサントラ、オリジナル・キャスト勢に長い間独占されていたアルバム・チャートの歴史を塗り変える大いなる第一歩であった。
    
そして特筆すべきはこの年の6月にビートルズがロック史に残る不滅の名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を発表したことで、ロック・ポップス史上初めて明確なコンセプトを打ち出したトータル・アルバムとして、各方面から現代音楽の最先端をいく傑作との高い評価を受けるのである。このアルバムの登場によって、多くのミュージシャンはトータル・アルバムの製作に取り組むこととなり、レコード産業の中心をシングルからアルバムへ塗り変える結果にもなった。「サージエント・ペパーズ・・・」はこれまで単にシングル・ヒットの寄せ集めにしか過ぎなかったアルバムに全く新しい価値感をもたらしたのである。

また1965年頃からそのメッカとなり始めたサンフランシスコを中心にヒッピー・ムーブメントが世界的な流行となりサイケデリック・ミュージックが表舞台に浮上してきたのもこの年である。スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」などこのブームを反映したヒット・ソングが次々に登場し、この時代を象徴する2大グループ、ドアーズとジェファーソン・エアプレーンもセンセーショナルなデビューを飾った。

「ロック魂」(「The Great Billboard・1967年」)より転載。(謎爆)


1. The Doors/ハートに火をつけて...The Doors
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2515663
この年を象徴するアーティスト、ドアーズのデビュー盤。暗い曲が多いのが特徴。US2位

2. Velvet Underground & Nico/The Velvet Underground
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1814040
「投稿No.22」参照。(笑) US177位

3. Magical Mystery Tour/The Beatles
http://www.hmv.co.jp/product/detail/993
ビートルズのTVサントラ盤。当時は本国イギリスでこの形式でリリースされていない。US1位(8週)

4. Something Else By The Kinks/The Kinks
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2569686
「投稿No.23」参照。(笑) US153位、UKはチャート・インせず

5. Are You Experienced?/サイケデリック・ジミ・ヘンドリックス...Jimi Hendrix Experience
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1376159
ロックに革命を起こした天才ジミ・ヘンのセンセーショナルなデビュー盤。アメリカとはジャケ、内容ともに異なる。US5位

6. Disraeri Gears/カラフル・クリーム...Cream
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1377238
クリームを一躍トップ・グループに押し上げた2ndアルバム。US4位

7. Their Satanic Majesties Request/サタニック・マジェスティーズ...The Rolling Stones
http://www.hmv.co.jp/product/detail/811674
ストーンズ版「サージェント・ペパーズ」と酷評されたストーンズ史上最大の問題作。UK3位、US2位

8. The Who Sell Out/The Who
http://www.hmv.co.jp/product/detail/468444
曲間に架空のラジオ局のインチキ・コマーシャルを仕立てたトータル・アルバム風な構成となっている3rdアルバム。アメリカでは内容は全く同じだが9がなぜか「Spotted Henry」と改題されていた。UK13位、US48位

9. Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band/The Beatles
http://www.hmv.co.jp/product/detail/994
レコード業界に革命を起こした不滅の名盤。ちなみに私が初めて購入した洋楽のレコードでもある。(笑) UK1位(22週)、US1位(15週)

10. Between The Buttons/The Rolling Stones
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1408910
サウンド、ミックのヴォーカルに変化が見られディランやキンクスの影響も感じられるイギリス5thアルバム。アメリカとは内容が異なる。UK3位

注) 5位は当時は邦題があったが現在は使われていない。


オマケ・シングル10選

  1. Georgy Girl/The Seekers
  2. Daydream Believer/デイドリーム...The Monkees
  3. What A Wonderful World/この素晴らしき世界...Louis Armstrong
  4. Strawberry Fields Forever/The Beatles
  5. Somebody To Love/あなただけを...Jefferson Airplane
  6. Light My Fire/ハートに火をつけて...The Doors
  7. There's A Kind Of Hush/見つめあう恋...Herman's Hermits
  8. Massachussetts/The Bee Gees
  9. Ode To Billie Joe/ビリー・ジョーの唄...Bobby Gentry
10. All You Need Is Love/愛こそはすべて...The Beatles


注) 6は長い間奏をカットしたシングル・ヴァージョン。



MFCオーナーの感想
で、もって、イアラさんのベスト・アルバム企画もいよいよ1967年、ついに登場しましたねぇ、あの“歴史的名盤”が(笑)
しかし、今までに比べて1697年の何と分かりやすいことか(笑) 僕ですら半分は聴いてますし、他も名前もジャケットも知ってます(笑) 逆に、ドアーズって、こんな前にデビューしてたんだ、なんて感慨を覚えました(笑) そういえば、ピンク・フロイドの1stもこの年でしたね。
冒頭の解説にもあるように、ロックが変わり始めた年ですね。ローリング・ストーン誌的には“ロック元年”という訳で、70年代半ばからロックを聴き始めた僕ですが、この年より後に出たものに関しては、前時代の作品という感じがしません。シングルよりアルバム、に代表される“ロックの概念”が確立した年という事になるのでしょうね。
それにしても、その解説で、いきなりモンキーズの登場するにもかかわらず、アルバム10選には一枚も入ってないのは何故?(爆)
余談ですが、シングル10選に入っている「ビリー・ジョーの唄」、一度も聴いた事ありませんが^^;、中学の頃、FMfanの「ミリオンセラー物語」で取り上げられていたのを読みました。初登場から4週で一位になった、カントリー、R&B、イージーリスニング、とあらゆるジャンルのラジオでかかり、トップに立った、などのエピソードが紹介されていました。それと、ボビー・ジェントリーの少々艶っぽい写真も(笑) そういう点では印象深い曲です(爆)


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