みんなの名盤

投稿No.078 喜楽院さんの

小説「天使のウィンク」

―今、ここに“伝説の地雷”誕生の秘話を明かそう。―

2007年6月25日(月)21:33。
第14回「しりとり大会」スタート。
今回のテーマは「J-POPS(その3)」。

「しりとり」の開幕は、オーナーからのメイルによって知らされる。
早速、オーナーのHPより「しりとり」を開く。

1. 「あなた(あなた)」(by MFCオーナー)
小坂明子。という訳で今回はJ−POPです。皆さん、よろしくです。
   2007年6月25日(月)21:33

2. 「高見沢俊彦(たかみざわとしひこ)」(1点 by 島田@浜っ子さん)
ども、おひさです。またお願いします。・・・わーい、二番手かな。
   2007年6月25日(月)22:11

おお。
はじまっている。
次は3番目。
スタートしたばかりだ。
ウワサでは「近々、J-POPSで始まる。」とは聞いていた。
今回のしりとりの期間は6/15スタート〜8/10終了、とか。
時期的には極めて都合がいい。
仕事も忙しくないときだ。
そう思いつつ、喜楽院、「恋のナックル・ボール/大瀧詠一」を投入。
1点。
この3番目が、例のいわゆる「特別」だったらしく
いきなり10点の上乗せで、喜楽院、首位。
島田さん、2位。(爆)

その後、参加者総数500万人とも言われる
この「しりとり大会」の、全国各地で激しく行なわれた
厳しい地区予選を、圧倒的な実力を見せて勝ち上がってきた
名うての古豪・新鋭が続々と集結・参入し、
この「しりとり全国選手権大会」は一気に活況を呈し始める。

喜楽院は第10回大会以来、今回で連続5度目の出場。
2005年秋の「10回大会:J−POPS編その2」では
途中参加ながら10位入賞まで、あと2点及ばずの11位。
「第11回大会:スポーツ編」では初のフル参戦でいきなりの優勝。
「第12回大会:洋楽編その4」では第4位。
そして、この2007年春に行なわれた
「第13回大会:映画編その3」でも優勝を飾る。

早くも優勝回数は2回を数え、忍者さんと並ぶ歴代2位となる。
歴代1位は、通算4度の優勝を誇る“王者”ジャスミンさん。

ジャスミンさんは第11回大会と第13回大会の出場を見送ったため、
過去、喜楽院とフルで対戦したのは第12回大会「洋楽編」のみ。
この大会では、1422回というブッチギリの投入回数で
4位に入った喜楽院を、彼女はわずか996回という投入回数で
木っ端微塵に粉砕しての3位入賞。
格の違いをコテンパンに見せ付けられた。

その、音楽ネタに関しては抜群の破壊力を有するジャスミンさんが、
日付が変った6/26の00:24、ついに参入してきた。

ジャスミン―今度はあなたに負けるわけにはいかない。


ジャスミンさんには実力でかなうわけがない。
しかし、往復3時間の通勤時間以外、一日中絶えず身の回りに
PCが置かれているという恵まれた環境にいる私には
「投入回数」という武器がある。
競いあったら勝負はさせてもらえないのは、
前々回で思い知らされている。
そう。
悲願である「打倒ジャスミン」を果たすには
喜楽院の生活スタイルを変えてまで
しりとりに没頭することによって産み出す、
「圧倒的な投稿回数」が必要なのだ。
そして、私はそれを必ず実行する。

第10回大会J-POPS編の優勝者はジャスミンさん。
その時は約60日のスパンであり、彼女の得点は1852点。
今回の第14回大会のスパンはそれより短い50日弱。
だとすると優勝ラインは1500点くらいだろうか。
1500点取ることは可能か?。

1日平均10時間をしりとりに当てるとして、1回投入には
30分のインターバルが必要なので、その間約20回の投入が可能。
1回1点だが、得点単語や×5の役モノ、そして喜楽院が構築する
完璧な防御システムの恩恵の元に発生するであろう、他人からの
おびただしい数の振込みによるプラス点。
それらを加味した上で予想される平均得点を2.0点として
1日あたり20回投入で40点の収入。
×50日で2000点。

これでもう圧勝といえるスコアだ。
負けるわけがない。
よほど奇妙キテレツなボーナス設定がなされていない限り。

6/26の朝を迎える。
「しりとり」は淡々とすすむ。

10:27、YKさんが52で「あんたのバラード」を投入。
ご存知、世良公則&ツイストの有名曲だ。
10点だ。
初のボーナスが出現する。

「あんたのバラード」。
メジャーな単語である。
今回のボーナス設定は比較的オーソドックスだと想定してよいだろう。

64、喜楽院「夜空」を投入。
10点。
今大会、通算2個目、喜楽院としては今回の初ボーナス。
五木ひろしの有名曲。
メジャー単語である。
大丈夫だ。
奇をてらったボーナス設定では、ない。

それにしても毎度のことながら、初ボーナスはうれしい。
今回、自分はもしかしたら1個もとれないかも、という、
考えすぎともいえる不安を払拭してくれる。

70で、喜楽院に「り」のパスが来る。
昨夜、急遽ありあわせで作成したネタ帳には
「Reflections」しか書かれていない。
寺尾聡のアルバム名である。

「寺尾聡」…前回の映画編で、オーナーの“大変印象的なヒント”を元に、
那由他さんがとったボーナス単語だ。

充分(ボーナスが)あるかも知れない。

そう考えて投入。
10点の赤字が表示される。
ボーナスである。
「10点?。」
同時に訪れる、奇妙な違和感。

「あんたのバラード」や「夜空」が10点だとしたなら…。
いかに「ルビーの指輪」の、あの寺尾聡のアルバム名にしたって、
「Reflections」などという、一般的には決して
超メジャーではないと思われる単語が「10点」というのはないだろう。
15点、いや20点であっても決して不思議なことではない。

何故だ?。
考えられることはひとつ。
寺尾聡には、「この上」にまだ高得点の
ボーナスがある、ということだ。
それしか考えられない。

※注意※
このお話は、喜楽院の空想上での産物でありまして、
なにがなんでもフィクションであります。
で、あるからして、ここに登場する各種固有名詞の数々も
全く実在しないものであり、もし仮に、実在するものと
とても類似した名称がありましても、それら実在するものとは
全く何の関係もありません。



考えられることはひとつ。
寺尾聡には、「この上」にまだ高得点の
ボーナスがある、ということだ。
それしか考えられない。

慌ててネットで「寺尾聡」を検索、
Wikipediaを開く。

寺尾聡…。
ふーん。法政二高OBなんだ。
「シャドー・シティ」?。
ああ、そんな曲あったっけな。
懐かしい。
アルバムは…3枚程度か。

速攻で、シングル盤とそのカップリング曲、
そして、アルバム「Reflections」らの曲名をすべて、
50音順別にページが割り振られたネタ帳に片っ端から書き留める。

6月26日(火)、昨夜からスタートした「しりとり大会」の
事実上の初日、時刻は13:30頃。
喜楽院、仕事中である。

13:49。
喜楽院のターンが来た。
YKさんから出たパスは「に」。
ネタ帳を開く。

「に」のページには、「憎まれそうなニューフェイス/吉川晃司」と
たった今、書き込まれたばかりの「二季物語/寺尾聡」の
2曲しか書かれていない。(爆)

大好きなキッカワくんの曲を投入したいのは
ヤマヤマだが、「二季物語」で行くことにする。
「二季物語」…。
初めて目にするタイトルである。
もし、これがボーナスなら高得点は間違いないところだ。
ま、いきなり一発目で的中することはないだろうが。

ところでこれは、なんて読むんだろう?。
「にきものがたり」でいいや。
74で投入する。
20点。
わ。
うれしい。
一発目で当たっちゃったよ。
ラッキーなこともあるもんだな。
朝の「めざましTV」の星占い、サソリ座は何位だったっけ?。

その後、しばらく、寺尾曲のイニシャルには
当てはまらない、幾つかのパスをさばいた後の119で、
大本命の「し」が回ってくる。
迷わず「SHADOW CITY」を投入。
10点。
本日、4つめのボーナスだ。
前回の映画編では1日3個って日があったけど、
1日4個は自己最多記録だな。
ラッキーだ。
「ツキ」以外の何物でもない。
お陰で悠々とトップを走っていられる。
有難いことだ。

131では「き」が回ってくる。
この時点でのネタ帳に記載されていた曲は
「喜望峰」/寺尾聡
「北ウィング」/寺尾聡(中森明菜に同名異曲あり)
「季節風」/寺尾聡
「禁猟区」/郷ひろみ
「傷だらけのローラ」/西城秀樹

ひろみや秀樹の曲など、すでに目に入らない。
寺尾関係はすでに3曲出ているとはいえ、
ここは寺尾で行くしかないのだ。
(結果的に「禁猟区」はボーナスだったけど。)

寺尾曲3曲の中の、どれで行くか?。
自分がボーナス設定者ならどうするかを考えてみる。
寺尾のつもりで設定した「北ウィング」が、
中森明菜のつもりで回答された「北ウィング」に
ヒットされるとしたら、それはつまらない。
というわけで「北ウィング」は却下。
(結果的に「北ウィング」もボーナスだったけど。)

さて「季節風」と「喜望峰」。
「季節風」は他のアーティストの曲にもありそうな
タイトルだが、「喜望峰」というタイトルは珍しい。
「喜望峰」で行くことにする。

20点。
な…。
これは一体…。
ある、想像・仮定が沸き起こり、脳内を駆け巡る。
とても信じがたいことであるが、…それは多分、現実であろう。
オーナー、あなたはいったい何を考えてらっしゃるのだ?。

かつてスポーツ編で、札幌五輪スキージャンプ70m級の
金・銀・銅メダリストである、笠谷、金野、青地の3人ともが
それぞれボーナスだったことがあり、驚愕したものだが、
もしかすると今回のは、それとは比較にならない規模の
ボーナス集団が設定されてるかもしれない。

それは、この「喜望峰」で他のシリトラーたちも気付いたことだろう。
大挙して「寺尾狩り」が始まるのは必至である。
早いとこ、「渚のカンパリ・ソーダ」や「HABANA EXPRESS」らを
ゲットしなくては!。


しりとり戦は、まだまだ始まったばかり。
ログが、131の「喜望峰」まで進んだ時点で
出現したボーナスは7つ。
喜楽院がとった5個以外の2個は、いずれもYKさんの手によるもの。
続く8個目のボーナス158「異邦人」(10点)も
これまたYKさんがGET。
9個目の169「あずさ2号」(10点)は
ジャスミンさんの今回の初ボーナス。

そして10個目、
173「ブーメラン・ストリート」(15点)/Brendaさん。

15点?。
ここでまた強い違和感を感じる喜楽院。
そうか…。
10点はメジャー曲。
世の中のある年齢層のほとんどの人が
サビを歌えるというレベルの認知度を持つ。
「地雷」も、10点曲と同レベルの単語が
ズラリと並んでいることだろう。
そして20点は、マイナー曲のボーナス設定に間違いない。
世の中のほとんどの人が知らない曲。
その中間が15点ボーナスと考えてよさそうだ。
そう、かつては誰もが知ってたけど、時の経過とともに
世の中の半数の方から忘れられてしまった曲。

しかし…この西城秀樹曲が何故15点なのだ?。
大変印象的な歌詞を持ち、いまだに世の中に
幅広く認知されて続けている
この曲が10点ではなく、15点に設定された理由は一体何なのだ?。

一つの仮説が成り立ち、それに連動する戦略が浮かび上がる。
たぶん…西城秀樹曲には、これよりメジャーな10点曲と、
これよりマイナーな20点曲が用意されているのだ。
では、秀樹の10点曲って何だ?。
「情熱の嵐」か?。「傷だらけのローラ」か?。
では、20点の秀樹曲は?。
さほど売れなかった後期の秀樹曲なんか幾らでもあるだろう。
その中のどれかが20点だ。

超メジャー曲「ヤング・マン」の地雷は充分有り得る。要注意。
いや待て、Brendaさんが、同じ「ぶ」のイニシャルの
有名秀樹曲である「ブーツをぬいで朝食を」でなく、
この「ブーメラン・ストリート」を先に回答したのは何故なんだ?。
「ブーツ…」が地雷だったから「ブーメラン…」に入れた、
という線も捨てきれない。

仮に、秀樹曲に万遍なく10点、15点、20点、地雷、と
用意されてるとしたなら、新御三家の残り2名、
郷ひろみと野口五郎にも似たような設定がされている可能性は
充分ある。
では、自分なら、どう設定する?。

郷ひろみか…。
「男の子女の子」「2億4千万の瞳」あたりは地雷にする。
「素敵にシンデレラ・コンプレックス」
「誘われてフラメンコ」あたりが10点で、
「洪水の前」「禁猟区」「マイレディ」あたりが15点だな。

野口五郎は?。
「私鉄沿線」は間違いなく地雷に設定。
「青いリンゴ」「オレンジの雨」「19:00の街」付近が10点。
個人的に好きな「針葉樹」が15点。

オーナーが自分と似たような世代である以上、
この図式が大きくはずれておらず、
かつ「キャンディーズ」「ピンクレディ」「沢田研二」曲あたりにも
同様に導入されていると見るのは間違いではないだろう。
「哀愁のシンフォニー」「わな」、
「カメレオン・アーミー」「KISS IN THE DARK」,
「酒場でDA・BA・DA」「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」あたりの曲は
15点クラスとしてはちょっと有名過ぎるかもしれないけど、
ボーナスの可能性は充分あり、早めに投入するだけの価値はある。
「松田聖子」「小泉今日子」あたりのオーナーの設定も楽しみだ。

オーナーは常々、ボーナスについては深く考えないで設定している、
と話しているが、こういうところでの「バランス感覚」は、
無意識の内に自然と滲み出てくるものだ。
邦楽ロック、ポップス系については、喜楽院には、
サザン、ユーミン、佐野元春、甲斐バンドetcに、
極々わずかな造詣があるものの、その他のミュージシャンに
ついての知識は皆無に等しい。
歴戦のシリトラーの皆様に太刀打ち出来るレベルでは、到底、ない。
今後、当面は、かろうじて付いていけるかも知れないと思われる
上記の歌謡曲組の楽曲におけるオーナーのバランス感覚に狙いを絞り、
地雷混じりの10点クラスではなく、安全な15点クラスを目指して
投入していくのが正解というものだろう。
引き続き継続されるべき「『寺尾聡曲』投入」との二本柱で。


Brendaさんの「ブーメランストリート」に続く、
通算11個目のボーナスである「私がオバさんになっても」(10点)を、
すみこさんが26日の深夜にGET、明けて6月27日。
しりとりがスタートして、事実上2日目の朝。

今日以降、寺尾聡関係のボーナス狙いの曲名が飛び交うことだろう。
喜楽院ももちろん、心待ちにしているパスはある。
前にも記したが「渚のカンパリ・ソーダ」「HABANA EXPRESS」などは
雰囲気的に高得点ボーナスの匂いがプンプンする。
逆にこちらとしては、これら単語の他人への流出につながる
「な」「は」で終わる単語の投入はしたくない。

そうそう、ひとつ気になっている「寺尾曲」がある。
「出航(SASURAI)」という曲だ。
これもボーナスの匂いがする。
しかし・・・入力の表記はどのようにすればいいのかな?。
読みがわからない。
あちこち検索をするが、サイトによっては
「出航(SAMURAI)」などと書かれたものもある。
侍?。なんだかよくわからん。ミス入力であろう。
たぶん、「出航」と書き、読みは「さすらい」と入力するのが
正解なんだろうな、と思う。
「さ」のパスは比較的レアな部類だ。
じっくり待つとしよう。

9:26、かがみさんより
201「ドライブに連れていって」(1点)のパスが出る。
「て」である。
ここで「寺尾聡」を投入すれば10点!と
読んだ方もいらしたことだろう。
9:37、喜楽院、大方の予想を裏切り、
202「天馬ルミ子」入力。1点。

そのかがみさんが、216で通算12個目ボーナス
「本田美奈子」(10点)をとったのに続き、
喜楽院、231で寺尾ボーナス「予期せぬ出来事」(15点)を獲得。
253でジャスミンさんが「愛の水中花」(10点)をとった直後も、
喜楽院、257で寺尾ボーナス「ダイヤルM」(15点)を取る。
この時点で、喜楽院、誰の目からみても独走状態。

ところが261でジャスミンさんが寺尾ボーナス
「渚のカンパリ・ソーダ」(20点)を獲得。
喜楽院以外で寺尾ボーナスを取ったのは初だ。
来るべきときが来た。仕方ない。

266、那由他さんの初ボーナス「赤いハイヒール」(15点)の後、
295でジャスミンさん「北ウイング」投入。1点。

「北ウイング」は1点か。
あのとき、やはり「喜望峰」にしといて正解だったな。

しかし、寺尾系、ビシビシ来るなあ、ジャスミンさん。
凄い迫力。
12回大会「洋楽編」でジャスミンさんに、
並ぶ間もなく一気に抜かれ、瞬く間に遥か彼方に遠ざかった
怒涛のボーナスラッシュの悪夢が一瞬、頭をよぎる。

この、「北ウイング」の直後、298でオーナーさんから
「すごおおおく惜しいひとがいます。」の発言。
惜しい?。ボーナスにカスった単語があったのか?。
でも、一体何のどこが惜しいんだかサッパリわからない。

323、待望の「さ」のパスを受け、ジャスミンさん、
またもや寺尾系の『出航(SASURAI)/しゅっこうさすらい』を投入。
1点。

これは私も「惜しい」と思った。
それにしてもジャスミンさん、一気に畳み掛ける
素晴らしい攻撃である。

この単語の直後に、再びオーナーから
「すごおおく惜しい人がいます。」の発言。
喜楽院、「出航/さすらい」がボーナスであることをここで確信する。

ふふ。
ジャスミンさんは「出航/さすらい」が
正しいボーナス表記であることは気付いていまい。
後ほど「さ」が回ってくるようなら、あなたの目の前で
このボーナスをGETし、323のあなたのミス入力を嘆かせてあげよう。

あれ?。でも・・・それ以前に298で、オーナーが
「惜しい」っていったのは、一体何についてだったんだろう?。

295「北ウイング」を含む、その周辺以前のログ群を、
穴のあくほど見つめるが、
「出航(SASURAI)/しゅっこうさすらい」のような
不自然なログは見つからない。
「レディ」と「レディー」のような音引きの有無のような
“揺らぎ”も見当たらない。
わからない。

直後、島田さん327で「天国のキッス」(10点)をGET。
松田聖子のボーナスが初めて、ここで出現する。
ここでまた喜楽院、軽い違和感を覚える。

松田聖子の「て」?。
何故、島田さんから「天国のキッス」ではなく、
「天使のウインク」が先に出てこなかったんだ?。
「天国のキッス」がボーナスだったからよかったものの。

変だな。
単なる好みの問題ではないような気がするが…。


何か不自然な、釈然としないものを感じているうちに、
また「て」のパス。
かがみさんがこれを受け、332で「寺尾聡」(10点)を獲得。
「あちゃーっっ。」
苦笑いの喜楽院。
「天馬ルミ子」入れた、わたしは、おバカ。

339、「一触即発」(15点)、ジャスミンさんGET.。
これには「やられた!」って思った。
ジャスミンさんって、やっぱ凄い。

非常に高い確率で、煌めくようなパスを投入してくるシリトラーは、
今大会の中に幾人かいるが、ジャスミンさんのパスの質の高さは、
その中でも突出している。
ボーナスにふさわしい、取られて納得、といったパスが、
極めて広範なジャンルから、次から次へと繰出される様は圧巻であり、
それはもはや「芸術」と呼べるべき代物である。
この辺のセンスは、他の追随を全く寄せ付けない。

大量リードを保っている喜楽院ではあるが、やはり、この
“王者”が繰出す、威圧感のあるパス群には、相当な脅威を感じる。
なんとかしなくちゃ。早く出て来い、「さ」。

354、「ロビンソン」(10点)忍者さんGETに続き、
387、「サディスティック・ミカ・バンド」(10点)すみこさんGET。

そして、日付は変わり6月28日、10:02。
414「夜の翼」、「さ」のパスが、まさかのオーナーから
私に「取れ」と言わんばかりのタイミングで出現する。
415「出航(さすらい)」15点、喜楽院GET。

やはりボーナスだった!。
オーナーの言ってた“惜しい”は、やはりこれだったか。
嬉しい。
ジャスミンさんが、これで動揺するのは間違いない。
まてよ。
“惜しい”ってのは以前にもあったな。

426、再び、喜楽院の眼前に「て」のパス。
島田さんが327で「天国のキッス」を取って以来、気になっていた
「天使のウインク」を満を持して、ここで渾身の投入。
1点。
喜楽院、またもや苦笑い。

428で那由他さんが「瞳はダイアモンド」のボーナスGET。
ユーミン曲であり、聖子ちゃん曲でのボーナス。いいなあ。

と、思った矢先、432で、またまたここで、
新たにオーナーから「惜しい人がいます」発言。
なになに?。ボーナスにカスった単語が、またまた、あったんかい。
これで「出航(さすらい)」の他にまだ、
カスったボーナスが2個あることになる。

さすがに気になる。
二つの「惜しい発言」の直前のログ群をそれぞれスクロール。
PCのモニターを、それこそ穴の開くほどみつめる。
誤字の有無、読みの間違い、濁点の有無、音引き…
ありとあらゆるチェックをするが異常な認められない。
漢字表記の送りガナの違いか?。
いや、それはない。表記が違っていても読みさえ合えばヒットする。
読みか…。
あとは、「母音」、「や、ゆ、よ」、「つ」などの大小による、
日本語特有の“揺らぎ”か。

見ていくうちに、似かよった二つの単語を見つけた。
ジャスミンさん投入の「北ウイング」、
そして喜楽院が投入した「天使のウインク」である。

あ・・・。
見えた。
ニヤリ。
これだ。これしかない。
「イ」と「ィ」の違いだ。
ウイングをウィング、ウインクをウィンクに直せばボーナスだ。
ボーナスと確信した在庫が、一挙に2個増えたわけである。
これはうれしい。
しかも、「北ウィング」でボーナスGETとなれば、
ジャスミンさんが受ける激しい動揺は
「出航/さすらい」に続いて2回目。
2回目ともなれば動揺の度合いは、一度目よりもはるかに
増幅されたものになるだろう。
しかも彼女にしてみれば、その両方ともの相手が、
遥か先の首位をひた走る、あの憎き喜楽院。
はははは。笑ってしまう。
出来すぎた話だ。
ここで私が「北ウィング」をとれば、トドメを刺すも同然。
大変気の毒なことではあるが、下手すればジャスミンさんの
リタイアの可能性をも心配しなければならない事態になる。

ふふふ。
「き」でも「て」でもいい。
早く、私の前においでなさい。

早く!。


まあ・・・欲を言うなら・・・。
私が「て」のパスを先にもらって「天使のウィンク」10点を
GETした場合、生き馬の目を抜くこの世界で、
シタタカに生きているシリトラーの皆様のこと、
目ざとく「北ウィング」がボーナスと見抜くヤカラが現れ、
素早く取られてしまう可能性が大きい。
そいつは甚だマズイ。
ジャスミンさんがミスった「北ウィング」は、首位を行く私が
取ってこそ、彼女に与えるインパクト、及びダメージが大きいのだ。

願わくば「き」から先に出たくれた方がいいな、と
欲の皮を思いっきり突っ張らしていたその矢先、
439「あなたに会いたくて」、那由他さんから
松田聖子曲の「て」のパス。
自分のターンまで、あと11分。
誰も回答するなよ!って祈っていたところ、
忍者さんがインターセプトし、
440、「ティン・パン・アレー」を回答。
残念。

「ティン・パン・アレー」。
この時点では、忍者さんは「天使のウィンク」に
気付いていなかったか。

場は、数々のボーナスを刻みつつ、順調に進む。
445、「アースシェイカー」10点/YKさん。
447、「EASY COME,EASY GO!」10点/喜楽院。

そして、458、「イメージの詩」1点/喜楽院の、
「た」のパスを受けた那由他さん、同じく、吉田拓郎曲の
459「たどりついたらいつも雨降り」を投入。
なんとこれが、那由他さんの前回ボーナス、
「瞳はダイアモンド」10点×5に続く、連続の×5ボーナスであり、
15点なので一挙75点獲得。
場内騒然。

507、「美しい人」1点が、ろーずさんから。
喜楽院、続いて「と」で始まる曲名を
回答しようとしたところ、弾かれる。
弾いた主は、すみこさん。
彼女は「と」を受け、508で「徳永英明」1点を回答。
そのため、喜楽院が見つめる、弾かれた後の画面には
「『き』から始まる言葉を答えて下さい。」の警告文が。
キターーーー!!。
果たせるかな、「き」のパスがついに現れる。

18:34、喜楽院、手拍子で509、「北ウィング」を投入。
美しい赤字が点灯。
予想通り、10点のボーナス。
よしよし、オーナーさん有難う。
おかげさまのナイスヒントで連続GETさせて頂きました。
ジャスミンさんには、ちょっと申し訳ない気分。
でもね、ジャスミンさんには全力で立ち向かわないと。

これを見ていた、忍者さん、511で
「喜楽院さん、いつもいいところにいるな〜」のコメント。
やっぱりそうか。
青くなる。
忍者さんも寺尾ボーナスの「出航(さすらい)」や、
「北ウィング」のパス待ち焦がれていたのだと思われる。

「天使のウィンク」も、今度はこれで気付かれたかもしれない。
早いとこ、「て」のパスを受けて、
「オーナーヒントのボーナス/3部作」のラスト、
「天使のウィンク」を回答、完結しなければ。

と、考えていた、ホントにその直後、
18:48に、YKさんから514「ネグレスコ・ホテル」の投入。
「て」のパスだ!。
よし!。ツイてる。
喜楽院の次のターンは、19:04。
誰も回答するな!、と必至で念ずる喜楽院。
この時間帯は主婦の皆様が、晩御飯の支度に忙しい頃らしく、
投稿量が極めて薄くなる時期である。
誰も入力してこない。
いいぞ・・・。

19:03までリロードを繰り返すが、
画面は「ネグレスコ・ホテル」のまま。
喜楽院、入力開始。
T・E・N・N・S・I・N・O・W・I・N・N・K・U。
変換して「天使のウィンク」、読みも「てんしのうぃんく」。
これでよし。


確認。
「ウインク」でなくて「ウィンク」になっているな?。
よしよし。これでいい。間違いない。
これは、「10点」のボーナスと確信している。
ならば、ここはなんとしても×5が欲しい。
過去、洋楽編、映画編、そして今回を通じて、優に50個を超える
ボーナス単語を取りながら、その間、喜楽院には
ボーナスの×5が一度も無かったのだ。
こんな不運があるだろうか?。
コメント欄には「来い!。×5。」とまで打ち込む。
今まで、数千個に渡るログを投入してきたが、
こんな大胆なコメントをつけて送信するのは初めてだ。

まだ、時間前だと思うけど、投稿してみよう。
それ行け!。
画面に現れる「あと35秒経ってからにして下さい。」のお知らせ。
あ、そう。了解。
34、33、32・・・、とカウントダウンを始める喜楽院。
この辺の心理は、シリトラーの皆様、よくおわかりでしょう。
これがボーナスなのは、もはや間違いないのだ。

一度、「天使のウインク」を投稿して1点だった喜楽院、
「天使のウィンク」で入れ直してボーナスだったとしたなら
一部シリトラーへのインパクトは相当大きいものがあるだろう。
あとは気合でこれを、×5にする努力をするのみ。
一気に50点を獲得し、独走首位を更に強固なものにするために。

カウントダウン、5、4、3、2、1、0、…

0を過ぎ、×5になるよう願いを込め、心の中で
更にゆっくり5つ数えて、『送信ボタン』を押した。


次に現れる画面は、2種類のどちらかに限定される。

一つは「『天使のウィンク』は10点です」、と、
10の字が太い赤字で表示される、通常のボーナスの画面。

もう一つは「『天使のウィンク』は10点です。
更に今回は10回に1回のチャンスで得点が5倍になるため、
喜楽院さんの得点は50点です。」という賑やかな文字群が踊った画面。

喜楽院が、「天使のウィンク」を送信した後に出現した画面は
彼が信じきっていた、上記のそのどちらでもなかった。
その画面が何であったか、理解するまでに要した時間は
コンマ1秒に満たないものであったと思うが、彼はその間、
さまざまなことを考えた。

赤字を含んだ画面が表示されていないではないか。
ならば、ボーナスでは、ない。
変だな。
ならば、何だ?。

「喜楽院さんの答えてくれた『天使のウィンク』は1点です」、
といういつもの表示か?。
いや、違う。
「前回の投稿から30分経過しないと新たに投稿できません。
あと11秒してから投稿して下さい」、という画面か?。
いいや、違う。
誰かに先を越され、「『く』から始めてください」という
“お知らせ画面”か?。
それも、違う。
「『天使のウィンク』は既出単語であって、1点減点です!
この単語を答えていたのは○○○さんなので、○○○さんに
1点が加算されます。」という減点のお知らせ画面か?。
いや、これも違う。


地雷。


頭の中に、ぶどうの一粒一粒が大量にギッシリと詰まってして、
それが、幾重にも並べられたドミノが一斉に倒れるのと同様の速度で
次から次へ、果汁をほとばしらせながら連続して
破裂しているかのような、未知の感覚が喜楽院を襲う。

「地雷だと?。」
有り得ないはずだが、それは思い込みであって、
現実は「地雷」なのだ。

ようやく事態を理解した。
言葉にならない呻き声を発している自分がいる
天を仰ぐ。

50点の収入を得るはずの一打が、マイナス10点の一打に
すり替わったことを思い知る瞬間。
オーナーが惜しいと言ったのは、ボーナスに惜しいのではなく
地雷にカスった、という意味での惜しい、であったことを
思い知る瞬間。
島田さんの10点ボーナス「天国のキッス」は、
地雷「天使のウィンク」を踏んだリカバリーで
GETしたものだったのか?。いずれにせよ、
これであの違和感を説明するための辻褄が合う、と思い知る瞬間。

やられた。
調子に乗っていると、いつも鼻っ柱を折られるように
ここぞ、という場面で地雷を踏む。
そして、今回の地雷は、まさしく、史上最強のそれだ。
この地雷には、最大級の賛辞を与えたい。
負け惜しみでもなんでもない。
素直な気持ちだ。

苦笑いも浮かばず、うつろな目をしているであろう自分が
見入っているPCモニターの地雷表示画面に、
喜楽院は美しい少女の姿を見い出す。
きっと、天使に違いない。

彼女は、「あなたは調子に乗りすぎ。今後の展開のために、
ここで少しお仕置きをしてあげないとね。」と
言わんばかりに、イタズラっぽい微笑を浮かべ、
喜楽院を見つめる両の瞳のうち、右の瞳だけを、
一度、大きくまばたきさせた。

朦朧とした、薄れゆく意識の中で喜楽院は、彼女からのウィンクに
かすかな量感があるのを、確かに感じた気がした。



MFCオーナーの感想
無茶苦茶遅くなりましたが(滝汗)、喜楽院さんがMFCのゲストブックに連載された力作「天使のウィンク」を、こちらに転載させて頂きました。喜楽院さん、ありがとうございました。遅くなって、すみませんm(_ _)m
ま、しりとりの管理人として、ボーナスの設定も地雷の設定も、深く考えてるようで、実はそうでもないようで、けど神経使ってるようなそうでないような、とにかくそんな感じなんですが(だから、どんな感じなんだって)、ボーナスにせよ地雷にせよ、誰かが引いてくれないと、設定した方としては面白くない、というのは確かでして^^;、そういう意味では、参加者の皆さんには、大いに知恵を絞って欲しい、というのが正直な所です。単に、遊ぶだけではない、これは管理人である僕と、参加者の皆さんとの戦いでもあるのですから。その点、喜楽院さんは凄いですね。ヤマを張る、なんて言葉では表現できない程、考えをめぐらせてます。2大会連続の優勝も当然と言えば当然ですね。幸運だけでは、優勝は出来ない訳ですから。いや、優勝というより、“打倒MFCオーナー”でしょうか?(笑)
今回(前回もですが)、小説を含め、色々と話を聞かせて頂いて、しりとり(優勝or打倒オーナー)に賭ける情熱には、ほんと敬服しましたし、その為にあれこれ策を練っているのにも感嘆しました。ただ、そういった話の中に、“喜楽院封じ”のヒントも見つけられたかな、という気もしております(笑)
という訳ですので、今後もしりとりをよろしくお願いします。戦いはまだまだ続くのです(爆)


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