みんなの名盤

投稿No.063 喜楽院さんの

「連載小説」そして親父は

No.1
2005年7月。
喜楽院、ついに長野市の自宅にPC購入。
8年間、人気ライターとして君臨し続けた、
某人気クイーンサイト掲示板に、喜楽院のメルアド公開。
殺到するメイル。
もう大変。(^^;
その中に、「しりとり」の情報あり。

喜楽院「ふん。しりとり、だと?くだらん。子供の遊びではないか。なに?ドロンジョ、アデリー、え?ニセリッチーまでもが加わっているって?なるほど・・・。それは、ただごとじゃないな。」
教授「いかが致しましょう?喜楽院様。」
喜楽院「調べろ。その『しりとり』とは何なのか。」
教授「ははーっ」

No.2
喜楽院「ご苦労。…鯨岡。よくぞ調べたの。
しりとりのシステム、よくわかった。」
教授「はっ。有難うございます。」
喜楽院「そうか…。N☆が、どうしても私に『しりとりに出馬しろ』、とうるさいぞ。しかもJ−POPS編、もう中盤過ぎじゃん。」
教授「喜楽院様のお力であれば、そこそこの御活躍が可能かと。
それに…。もしこの次があるとするなら、今回出馬なされれば、いろいろと後々勉強になると思われます。」
喜楽院「なるほど。」

No.3
2005年9月。
J‐POP編、終了。
喜楽院、怒涛の追い込みで10位に2点差の11位。

喜楽院「鯨岡。」
教授「どうなさいました?」
喜楽院「これほどの屈辱は久しぶりじゃ。J-POP編、惨敗じゃ。」
教授「しりとりですか?…途中参加ですし、大体、ジャスミン、忍者といったとんでもな」
喜楽院「るさい。で、次回のしりとりは、いつじゃ?」
教授「ははっ。極秘情報によりますと、暮れから新年にかけて『スポーツ』をテーマに行うという闇情報が入っております。」
喜楽院「あに。スポーツだと。…そんなテーマでは女衆が参加しないぞ。男ばっかりでやるんかい。何考えとんじゃ、おまえは。」
教授「き、喜楽院様。私にそう申されましても…」
喜楽院「まあ、いい。王者ジャスミン様が参加されなくとも、プリンス忍者様は参加されるだろう。ニセ様、島田様とかもな。今回の、スポーツ編、この『ニュー喜楽院システム』の実力を試すにはいい機会かもな。」

No.4
喜楽院「おい、鯨岡。」
教授「ははっ。いかがなされました?喜楽院様。」
喜楽院「明日から始まる『しりとりスポーツ編』には、女をひとり連れて行こうと思う。誰がいいかな?考えてくれ。」
教授「しりとりは個人戦です。何でお供が必要なのですか?」
喜楽院「バカめ。お前のように先を読めない奴が世の中を駄目にしているんだ。いいか?。ルールが改正されない限り、いずれ『しりとり』はテニスのダブルス、いやバスケットボールのような団体戦になるのは必至だぞ。わかるか?。とりあえずパートナーして一人選べ。いいな。」
教授「は。喜楽院様の愛人は現在851名いらっしゃいますが、先般の中間テストの結果によりますと…。」
喜楽院「げ。みんなに学力テストやらせてんの?うそー。で、なに?国数英の3教科?」
教授「いえ、理社も含みます。」
喜楽院「あ、そう。それで1位は誰よ?」
教授「ぶっちぎりで、那由他様でございます。」
喜楽院「ほう。那由他か。あいつは若くて美しい。才色兼備を地で行く女じゃの。年はいくつだっけ?」
教授「24歳とか。」
喜楽院「ドロンジョより1歳年上か。よかろう。那由他を呼べ。
『ニュー喜楽院システム』を彼女に叩き込む。」
教授「かしこまりました。」

No.5
2006年1月27日夕方。
しりとり「スポーツ編」終了日である1月28日の前日。
東京・虎の門にある高級ホテルの25階、ツインルーム。
鮮やかな夕焼け。眼下にまたたく宝石のような光の渦。
西の空はるかに、うっすらと消え行く富士の姿も見える。

ベッドに腰掛け、サイドボードに置かれたノートPCに見入る
半裸姿の喜楽院、片手に恵比寿の黒ビールの缶。傍らに那由他様。

喜楽院「来た…。」
那由他「どうされまして?喜楽院様。」
喜楽院「いや。『ら』のパスが来たんだよ。」
那由他「どういうことかしら。」
喜楽院「これは先般、君に伝授した『しりとり』というゲームなんだよ。」
那由他「くすくす。そんなことはこの那由他、わかっておりましてよ。」
喜楽院「今、ここでね『ラウール・ゴンザレス・ブランコ』って入力して送信ボタンを押すと、私に高得点が入るんだ。」
那由他「あら。読みきってらしゃるのね。今、1位ニセ様、2位が島田様、喜楽院様はただいま3位、そして4位がアデリー様で5位は、わたくしですわ。」
喜楽院「そう。多分これは25点。島田様を抜いて、首位ニセ様に肉薄する一打になるだよ。」
那由他「そうかしら?…1位になるんじゃなくって?」
喜楽院「え?」

No.6
2005年12月〜2006年1月、年をまたいで行われた「しりとりスポーツ編」。スタートから連続ボーナスゲットで快調に飛ばしていた島田様を、地味な回答で着実にスコアを伸ばしていたニセ様が、終盤ついに逆転、このままゴールかと思われたところ、終了の前日、喜楽院がまさかの25点ボーナス×5倍を繰出し、逆転サヨナラの優勝。
喜楽院、初のフル参戦で勝利。同時に、喜楽院から「しりとり」において勝つためのノウハウを徹底的に叩き込まれた那由他様も初のフル参戦にして、堂々の4位入賞。
プログラム「ニュー喜楽院システム」の優秀性が実証される。

そして2006年4月16日、しりとり「洋楽編・その4」が開幕を迎える。
名うての常連・古豪が軒並みエントリー。スパンは誤魔化しの効かない
2ケ月のロングラン。真の実力が試される設定である。
しかしだ。前回に威力を発揮したプログラム「ニュー喜楽院システム」は、スポーツ編を経験し、全域に渡って修正・改良を施され、パワーアップの度合いは想像を絶するレベルに仕上がっている。このシステムを駆使することになる喜楽院と那由他は、負けるわけがないのだ。どう考えても、二人でワン・ツー・フィニッシュを飾ることになる。自惚れでもなんでもない。必然そのものなのだ。

スタートした「洋楽編・その4」は、“異様”だった。
開幕日、そしてその翌日も『ボーナス』が姿を表さない。
あり得ない。これは一体どういことだ?
MFCオーナーの意図はなんなのだ?
参加者全員に、不安、狼狽が走るのがありありとわかる。
4月17日、17:59、ろーず様、全体を通じて初のボーナスゲット。
「うー・ら・ら」/ロッド・スチュワート:30点。
衝撃が走る。
なんだ?このボーナスは?
『知らない単語がボーナス』なんてことがあり得るのか?
全くの想定外。
“システム”は機能しない、通用しない。
直感が走る。
我々に、ボーナスを取ることはできない。
「これは…苦戦する。勝てない。」
喜楽院がそう感じるのも当然である。
ボーナスを取らなければ勝てないのだ。
今の喜楽院にボーナスは取れない。

ジャスミン様、忍者様らの洋楽の知識は相当なものがあるだろう。
しかも、過去の「洋楽しりとり3回分のデータ」を抱いているのだ。
それに対して、喜楽院、那由他の洋楽に対する造詣は、極めて深くない。那由他なんか、ハッキリ言って「クイーン」しか知らない。
喜楽院も似たようなレベルだ。
丸腰である。
勝てるわけがない。
さあ、どうする?

No.7
2006年4月19日。23:45。
東京・虎ノ門の高級ホテル。
25階、ツインルーム。

那由他「喜楽院様。」
喜楽院「なんだね?」
那由他「MFCオーナー様と喜楽院様はどちらでお知り合いに?」
喜楽院「いや。彼にはまだ会ったことがないのだ。何年か前に某クイーンサイトの掲示板に出入してらしたのを
見かけたことがあるが…。」
那由他「へえ。その時どんなお話を・・・?」
喜楽院「確か…管理人のSWEET様と…。」
那由他「SWEETさんって、あの滅茶苦茶美しいって評判の19歳の方でしょ?。」
喜楽院「そうそう。オーナー様は、彼女と妙なところでウマが合っていたなあ…。」
那由他「どういうことですの?」
喜楽院「UFOとか言うロックバンドの『電撃のロックンローラー』という曲が、お互いに好きだってことで意気投合されてらしたぞ。」
那由他「喜楽院様とわたくしが知り合うキッカケになった曲はイエスの『危機』でしたわね。」
喜楽院「そうだね。今回の洋楽しりとりでは、きっと『危機』がボーナスで、『電撃のロックンローラー』は恐らく地雷じゃよ。」
那由他「くすくす。面白いですわ。」

No.8
2006年4月20日。
新潟県、喜楽院の職場。

喜楽院は昨日4/19「洋楽しりとり・第4部」において
初の地雷を踏む。
「恐怖の頭脳改革」/EL&P、である。
過去のデータ解析からいって、このレベルの単語が地雷であるのはあり得ない。「うーらら」のボーナスといい、今回の設定は何から何まで過去の様相を踏襲していない。自信満々で構築した“システム”が何の威力を発揮せずに、根底から崩れていく音が喜楽院の耳に聴こえる。
不安を胸に今日も一日「しりとり」に興じる。
そして…。
17:57、喜楽院、現在、第9位。
ここで、ろーず様のパスを受ける。
「View to the Kill」、『き』のパスである。
昨日の「恐怖の頭脳改革」の悪夢がまざまざと蘇える。
「ふん。」
喜楽院が、「き」のパスに対応し入力したのは『狂気』。
ピンク・フロイドの大ベストセラーアルバム、
「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」の邦題である。
地雷。
10点の減点。
10位に後退。
「狂気」が地雷だと?
ふざけるな。
返す刀で「危機」を入力。
またしても地雷。
10点の減点。
ベスト10から喜楽院(新潟)の名前が消える。
信じられん。
悪い夢でも見てるのか?
プログレの「き」で始まる名アルバムに地雷が3個?
しかも「恐怖の頭脳改革」と「危機」に至っては
先日、喜楽院が「みんなの名盤」に投稿した
5枚のベストアルバムの中の2枚ではないか。
巧妙に仕掛けられた“死の罠「き」3連発”。
悪意に満ちたプログレファン潰し。
MFCオーナー恐るべし。
どうする?。
ここで意地を発揮して「究極」を入力するか?
いや。
もし「究極」も地雷なら、命すら奪われるような気がする。
喜楽院はおとなしく『金色の髪の少女/アメリカ』を入力。
1点。
直後に喜楽院に訪れた、激しい脱力感、虚脱感、そして敗北感。
ぶっちぎりで優勝するはずのシナリオが、なんとベスト10圏外へ脱落。
これでは戦えない。
システムの再構築が急務だ。

優勝するためにはどうしたらよいのだ?
よく考えろ。喜楽院。

No.9
ボーナスと地雷は表裏一体。
どちらもメジャーな単語であるからこそ、
それぞれの存在価値、つまり輝きを表すのだ。
ボーナス単語がマイナーで、
地雷がメジャー単語、ということがわかれば
メジャー単語を入力する意味は全く、無い。
特に、今回の第4部においては(ヒントが無ければ)ボーナスなんて
狙って捕れるものではないのだ。
では、勝つための、喜楽院の強みとは一体なんだ。
通勤時間の往復120分以外、PCは目の前に、常にある。
その気になれば1日22時間しりとり出来るのだ。
つまり理論上1日40回以上の投稿が可能で1回あたりの平均得点が
仮に1,5としても1日60点は期待できるわけだ。
こういうめぐまれた条件にある者はそうそういまい。
毎日、繰り返し繰り返し1点づつ(まれに5点を)獲得していけば
また上位にに浮かび上がれる。単純なことだが、それでいい。
首位:忍者さん〜2位:那由他さん〜3位:喜楽院〜
この構図が永らく続く。稀に大型ボーナス×5倍をゲットされた方が何人か喜楽院の頭の上を飛び越えていったが、時間の経過とともに喜楽院に抜かれていく。
怒涛のボーナスゲットで、しこたま貯めこんだ忍者様を抜くことは、今はまず不可能だ。快速ジャスト30分ラップを刻む那由他様も抜けない。無理無理。
むしろ、煌めくような輝きを放つパスを毎回投じてくる王者ジャスミン様が、ゆくゆくは喜楽院の上を行くのは時間の問題。
忍者様を抜き去って首位に立つ可能性は、オーナー様からのヒントが
乱舞するラスト3日間。それまではヒタヒタとチマチマと1点づつ稼いで置くことが必要なのだ。4位で上等。それ以上は今は無理。

6月下旬。
ようやくオーナー様からのヒントが姿を表す。
界隈は一気に賑やかさを増す。
那由他さんが鋭いパスを飛ばすようになる。
一体どこから?
彼女からノウハウを聞く。
なるほど。
目からウロコ。
技術の逆輸入。
もっと早く聞いておけばよかった。
そうかあ。こいつは凄いぞ。
忍者様を逆転するのは決して夢じゃない。

No.10
2006年6月20日前後。
那由他様、ボーナス連発で忍者様を猛然と追い上げる。
俄然、盛り上がる。
同じくジャスミン様、ボーナス3連発で喜楽院を木っ端微塵に粉砕、
3位浮上。
脚色(あしいろ)を見れば那由他様が忍者様を抜き去るのは時間の問題。誰の目から見てもそれは明らかな事実。
絶対に不可能と思われた「忍者様逆転」が現実味を帯びてくることにギャラリーは騒然とする。那由他様、恐るべし。
一方、喜楽院、敗北宣言。
と同時に『那由他様による打倒忍者様』に総力を挙げるべく方向転換。

終了5日前、6月25日、23:28。
すでに残り100点ボーナスの存在は3個。「お」「そ」「で」に
あることはわかっていたが、ここでオーナー様からの特別ヒントがデビュー。
「100点ボーナスのうち一つは『UFO』」とのこと。

那由他「喜楽院様。オーナー様のヒント、ご覧になりまして?」
喜楽院「ああ。ビックリした。まさか『電撃のロックンローラー』が100点とはな。驚いたよ。」
那由他様「いかがされます?」
喜楽院「4位の私が、3位ジャスミン様に追いつくには300点必要だ。私が取っても何の意味も無い。あなたが取れば忍者様を抜いて首位浮上だ。あなたが取りなさい。もしそれが×5なら今回の第4部は勝負が付く。ゲームオーバーだよ。」
那由他「私にしてみれば、忍者様など、いつでも抜くことは可能です。喜楽院様がお取りになったらいかがですか?。『打倒ジャスミン様』は喜楽院様の悲願だと常々うかがっておりましたが。」
喜楽院「忍者様をあなどってはいかん。いまのうちに抜いておきなさい。例のシステムを使ってよろしい。『で』のパス?『○○のセレナーデ』なんてタイトルの曲は山ほどあるよ。それを使いなさい。」
那由他「かしこまりました。」
喜楽院「ああ。ちょっと待って。UFOの『お』『そ』『で』はどんな曲があるの?調べてくれ。」
那由他「『あ』は6曲、『そ』はゼロ、『で』はボーナスタイトルを含めて3曲ありますわ。」
喜楽院「そうか。…ちょっとオーナー様に我々のシステムの実力の片鱗を知らしめるいい機会かもな。安心しなさい、那由他。あせることはない。『電撃のロックンローラー』がボーナスであることは誰も知らないから。私が『で』で始まるUFOの曲、つまり『ディーゼル・イン・ザ・ダスト』と『デッドマン・ウォーキング』、この2曲を答えてから100点を取りなさい。」
那由他「オーナー様、きっと驚かれますわ。」

No.11
6月27日12:18
13983、喜楽院「ディーゼル・イン・ザ・ダスト/UFO」回答。

6月27日13:26
13994、喜楽院「デッドマン・ウォーキング/UFO」回答。

この2つの回答を、もしライブでオーナー様がご覧になっていたなら、かなりの戦慄を覚えたことでありましょう。

しかし喜楽院は逆に、14083、14084の、ジャスミン様、忍者様の掛け合いに度肝を抜かれました。(笑)

明けて6月28日、14108、那由他様「電撃ののロックンローラー」100点ボーナスをゲット。忍者様を抜き去り、首位浮上。
まさしくシナリオ通り。
残り2個の100点ボーナスのうち、最低でも那由他様が1個とるのは間違いないのだ。忍者様が2個とることはあり得ない。大変申し訳ないことだが忍者様の逆転首位はあり得ない。那由他様の身に何かが起きない限り、我々ニューカマー組の勝利なのだ。絶えず首位争いを演じてきた古豪、ジャスミン様―忍者様ラインが遂に敗北を味わうのだ。

しかし、終了前日の6月29日、あるアクシデントが那由他様を襲う。
那由他様、『しりとりリタイア』を宣言。
驚愕する喜楽院。
どう考えても忍者様の再逆転および優勝は必至。
那由他の代わりに、忍者様をひっくり返すにはどうしたらいい?
しかも残る日数はたったの1日しかないのだ。
冷静に考えろ、喜楽院。

6月29日、夕方。
忍者様との差は500点。
当然100点×5倍が必要だ。
100点ボーナスは残り2個。
くそ、こんなことなら「電撃の…」、俺が
とっておくんだった。ま、今更しょうがない。
2個のうち、ひとつは当然忍者様が取るだろう。
と、なると…。100点×5をゲットして逆転するためには
400点差以内につけていないと届かないな。
わかった。
那由他様から輸入したシステムを自分なりに解釈する。
そして、6月30日の夜、オーナー様からの最後のヒントを頂戴するまでの間に、捕れるボーナスはすべて取る。のんびりと那由他様VS忍者様の首位争いを見物していようと思ってたのに、なんでここで俺が本気モードにならなきゃならないんだ?。勘弁してくれよ、那由他様。^^;
まあ、いいわ。これも必然。
“システム”がフル稼働したときの威力を満天下に知らしめるいい機会かも。

というわけで、喜楽院、スーパーハイテンション本気モードに突入。^^

No.12
6月29日、18:30。
残念ながら那由他様は戦列を離れた。
喜楽院に、彼女が構築した“那由他様システム”を残して。

14351…。18:40、那由他様と別れ、茫然とする喜楽院。

14353。Brenda様「ニナの祈り」投稿。
“那由他版”ボーナス探索システム稼動開始。

14355。喜楽院、19:17「やみつきボディ/R.ケリー」50点ゲット。
流石に恐ろしい威力だ。
が、当たり前すぎて何の感動もない。

14406.喜楽院、明けて翌30日、08:35「美しき野獣の群れ」50点ゲット。システムの威力もさることながら、昨夜、二者択一でミスチョイスしたBrenda様に感謝するべきだろう。^^

14427.喜楽院、12:04「夜の果ての愛」30点ゲット。
これはラッキー。ボブシーガーの「よ」のターゲットは“システム”上は二つ浮かぶ。片方は既出単語だったので。1点減点したけど。

ボーナス、3連続GET.
場内が騒然としてくる。

14432.「リターン・トゥ・フォーエバー」ロック・オン。
検索すると既出単語と判明。しかし、チック・コリアで『り』は
これしかないのだ。
しばし、熟考。
トゥの後に音引きを加えて投稿。
正解。
30点。

場内、大歓声。
ちょっと待って。
まだリンゴ・スターとデビッド・ボウイのボーナスを取っていません。

キンコン。
乾いた金属音がメイルの到着を知らせる。
“システム”から、である。
デビッド・ボウイのボーナスは「み」であることは判明しているが
ボウイの「み」はすでにジャスミン様が1曲回答、喜楽院も2曲回答、
いずれもハズレ。システムからのメイルにはボウイのベストアルバムの
邦題タイトル名が記されていた。

14446、15:24「魅せられし変容/デビッド・ボウイ」50点獲得。
大歓声が聴こえる。

この時点で首位の忍者様とは約300点差。
忍者様が残り2つの100点ボーナスのうち、一つをゲットしても
喜楽院がとる最後の一つが×5倍なら逆転可能。

16:30、喜楽院、新潟から長野へ移動開始。

16:51、オーナー様からジノ・バネリ「ぶ」のヒント。
PCに向かっていれば易々とゲットできたはずだが
車の中ではそうも行かない。
このヒントがもう30分早ければ…。

19:08、オーナー様からメリサ・マンチェスター「か」のヒント。
“システム”は答えのメイルを喜楽院に送信していたが、あいにく喜楽院は同僚の送別会に出席しており、不在。

19:10「お」及び「そ」のヒントがオーナー様から発表。

20:40、オーナー様から100点ボーナスの「お」のパス。
「表通りの愛人達/ジャパン」であることは皆様、百も承知。
忍者様がとるかと思われた直前、メリー様がインターセプト。
この頃、喜楽院は送別会の真っ只中。泥酔の一歩手前。(笑)

22:00、喜楽院、帰宅。ジャスミン様もこの頃帰宅。
忍者様がリンゴスターのボーナス「ロックは恋の特効薬」を
少し前にゲット。
30点×5倍。素晴らしいヒキである。
忍者様、この時点で約2960点、喜楽院2500点。
しかし、関係ないのだ。
喜楽院は「表通りの愛人達」か「そして親父は」の100点ボーナスのどちらか、もしくは両方を間違いなくゲットする。
それが×5倍であるとしたなら、忍者様と喜楽院の点数差は
300であろうと400であろうと同じこと。
「お」か「そ」が出れば、22時に帰宅してからずっと10秒毎にリロードしている喜楽院が100点ボーナスをゲットするのは確実。それが仮に×5倍なら喜楽院のスコアは3000点。忍者様を逆転してゲームオーバー。
シナリオは出来上がった。これはもう避けて通れない筋書きなのだ。

「お」と「そ」のパスが出なかったらどうするんだって?
はは。その場合はオーナー様が必ずパスを出すさ。
当たり前じゃん。
結果、どうだったか。

6月30日、23:17、ドロたん様、「お」のパスをリリース。
同23:44、ろーず様、「そ」のパスをリリース。

No.13
2006年6月30日、23:00過ぎ。
4月中旬のまだ肌寒い時期にスタートし、
75日間という異例の長期に渡って行なわれた、
ログ数1万4千を悠に超える、
古豪、常連、ニューカマーがフルエントリーの
史上最大のシリトリ戦「洋楽・その4」も
24:00の終了に向かって、残り1時間を切る。
いよいよゴールが間近である。
首位:忍者様と、虎視眈々と逆転サヨナラを狙う4位:喜楽院との
点数差はこの時点で約460点。
喜楽院が5連発ボーナスの5個目、デビッド・ボウイの
「魅せられし変容」:50点、をゲットしていなければ
その差は510点になっていたわけで、その場合逆転の可能性は
完全に消えていた。

23:19、ドロたんより“天使のパス”が放たれる。
「Maybe After He's Gone/めいびーあふたーひーずごお」。
少々強引であるが、ビッグボーナス「お」のパスである。
さあ、『表通りの愛人達/JAPAN』:100点が出るのは確実。
取るのは一体誰なのだ?
ジャスミン様やニセ様達は前回の回答ターンから30分を経過して
いないため答えられない。
即座に、忍者様か、喜楽院が矢のような勢いで『表通りの愛人達』を
叩き込んでくるだろう。誰しも固唾を呑んで見守っていたはずだ。
60秒…70秒…。おかしい…。回答が遅い…。
2分後、忍者様が回答。
なんと「Obscure Alternatives」。
な?なんでー?。なんで「表通りの愛人達」じゃないの?

熱戦を見つめていた誰もが、2つの疑問を抱いたことだろう。
@忍者様が「表通りの愛人達」を回答しなかったのは何故か?
A「お」「そ」のパスを、いまかいまかと待ち続けていたはずの
喜楽院が動かなかったのは何故か?

@は忍者様に訊いてみないとわからない。
Aは…(^^;

やがて時計は23:30を回る。
誰もがラスト1回の回答チャンスとなる。
残り100点ボーナス2個を、両方ゲット出来る人は誰もいなくなった。

23:44、ろーず様より回答。
「ピーボ・ブライソン」。
ついに来た!
最後の最後に、見事な、『そ』のパスである。
余りにもドラマティックな展開にめまいすらする。

22時に帰宅した喜楽院が、19:10にオーナー様より出された
「お」と「そ」の最終ヒントから検索した結果、浮かび上がった
『そして親父は』。
これを答えて100点、あわよくば500点をゲットするのはこの私だ、と
そのとき確かに直感した喜楽院。直感が現実となって今、ろーず様からの値千金弾、「そ」のパスが目の前にたたずんでいる。
落ち着いて回答を入力。カーソルを送信ボタンに合わせ、クリック。
10面体のサイコロが投げられた。
そう、場合によっては忍者様の敗退もあるのだ。
それにしても、恐ろしいほどの忍者様の独走ぶりだった。
何度もあきらめた。
しかし×5頼みとは言え、ここまで追い詰めることが出来たのだ。
逃げる忍者様、はるか後方からではあるが執拗に追う喜楽院、
そしてこれだけ見事な設定を組み、鮮やかな演出を施していただいた
MFCオーナー様。三者三様の想いが織り成す中、『そして親父は』は
最後の勝敗を決するべく投入された。那由他様の想いも載せて。

14500「そして親父は」(100点by喜楽院(新潟)さん)
2006年6月30日(金)23:46

「う☆。もしかして5倍か?」
と、今頃、忍者さんはあわてて順位一覧表に走り、喜楽院の累計点を
確認していることだろう。

闇の中、喜楽院が初めて観る3桁の、赤い数字がまぶしい。
神々しいまでの赤い光だ。
『BURN』の出だしの歌詞を連想する。

ドラムス:MFCオーナー様、
リードギター:忍者様、
ヴォーカル:喜楽院、
の演奏による「♪The Sky is Red…」が脳内再生を始めた。(笑)

≪終わり≫

※このお話はなにがなんでもフィクションであり、
登場人物の皆様も、全く架空の、喜楽院の空想上のものであります。



MFCオーナーの感想
ドラムス:MFCオーナー様、
リードギター:忍者様、
ヴォーカル:喜楽院、
の演奏による「♪The Sky is Red…」が脳内再生を始めた...終わり

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

一気に読み終えたMFCオーナーは、パソコンのディスプレイから顔を上げると大きく息をつき、無意識に胸ポケットのセブンスターをまさぐった。

「あ」...そういえば、今日からオフィス内は禁煙だった...

苦笑しつつオフィスの窓から外を眺める。
そろそろランチタイムになろうという時間だが、空はどんよりと曇り、いつも摩天楼を照りつける真夏の太陽は、顔を隠したままだ。
窓に遮断されて聞こえないが、天気とは関係なく、阪神高速をミニカーが走り過ぎていく。
それを眼下に眺めながら、MFCオーナーは痛烈に思った。

「この男と勝負したい」

しりとり好きが嵩じて、ほとんどしりとりを運営・管理する側に回ってはいるものの、
某所のしりとり(*注)では、優勝2回・準優勝3回・3位3回を誇るツワモノと、密かに自負しているMFCオーナーだからこそ、血が騒ぐのを感じずにはいられない。

「俺はこの男と勝負したい。管理人と回答者の関係ではなく、しりとりライバルとして戦いたい。そして、自分の力を見せつけてやりたい。恐るべき男・喜楽院と勝負して、勝ちたい!」

久々に、血がたぎる思いにとらわれたMFCオーナーは、いても立ってもいられず、オフィスを飛び出すとエレベーターへ向かうのだった。

行き先は吉野家...いや、今日は松屋にしよう...

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(*注)・・・ろーずさんのサイト「Welcome to Paradise!」で行われているしりとり。MFCオーナーがしりとりに目覚めたのは、ここだと言われている。


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