テリ−・リ−ド 名前を聞いたらお解りになるロックファンの方もおられよう。 かつてジミ−・ペイジがヤ−ドバ−ズ解散後、ZEP結成にあたり真っ先にボ−カリストとして候補に上がっていた人である。 これは彼のセカンドアルバム。 彼は現在までに6枚のアルバムを発表しているが、これは彼のセカンドアルバム。 1970年4月、本国イギリスに於いてはセカンドアルバムである本作が何故か日本ではデビュ−アルバムにあたり、当時日本のレコ−ド会社の洋楽担当者が付けたキャッチフレ−ズがギタ−は第2のジェフ・ベック、そのボ−カルは第2のジョ−・コッカ−。 でも彼のギタ−の何処がジェフ・ベックなのだ! と声を大にして言いたい。それは後で。それゆえ大袈裟過ぎる宣伝文句に、まだ高校生だった私はどうも気になりレコ−ド店に行ったものの、肝心のアルバムが置いてなくて仕方なく取り寄せてもらい、後日買い求め、家に帰っていちもくさんで聞いた覚えがある。 さて肝心の内容はというと。 宣伝文句とは売る為の言葉,当てには出来ないというのがその頃の感想。 とちらかというと,このアルバムは世間の評価としては名盤と呼ばれるモノではないと思う。 しかし音楽は感性で聞くものであって,決して理屈ではないのです。 よって世間がどのような評価をしようとも、アルバムを聞く本人が「これはいい! 」と思えば間違いなく当人には名盤なのである。 でもアルバム内容自体は決して悪くない。私自身テリ−のアルバムの中では一番愛着があるのは本盤である。 ことボ−カルに関しては文句の付けようがない。当時のジミ−・ペイジやロバ−ト・プラントが絶賛するのも解る気がする。 一方、ギタ−ソロを期待して聞くと,まったくコケてしまう。 それにしてもギタリストでもある人だが、この人ほどギタ−ソロがほとんどないロッカ−というのも珍しい。 アルバム収録曲の中に「フレンズ」という曲がある。1970年、日本にも来たことがあるイギリスのバンド、アライバルが採り上げ、そここそこヒットはした。でも本家テリ−のバ−ジョンは、この曲だけやたら録音状態が悪く、曲の中間部でセンスの良いギタ−ソロを弾くものの、極端にギタ−ソロが奥に引っ込んでしまっており、そのことが悔やまれてならない。 しかるにプロデュ−サ−は,ドノバンの一連のアルバム、それに第一期ジェフ・ベック・グル−プのアルバム、TRUTH、BECK OLAでお馴染みミッキ−・モスト。 でも何故にこのようなプロデュ−スの仕方をしたのだろう。そう思うとこれは余りにも本人にとっては悔やまれることでもある一方、未だにギタリストとして正当に評価されない第一歩でもあった。 ゆえに1978年ロック色を前面に押し出した彼の最高傑作アルバムと私自身評価している「ROUGUE WAVE」でもギタ−ソロは一切なし。 話を元に戻そう。 まあ〜しかし、いろいろと不満はあるものの、このセカンドアルバムから後年チ−プ・トリックが「SPEAK NOW OR FOREVER HOLD YOUR PEACE」を採り上げているし、アコギ一本で歌う「JULY」それに「MAY FLY」など曲自体、どちらかというと地味な曲だが非常に説得力に溢れた歌声で感動せずにはいられない。 |
MFCオーナーの感想 |
K.Yさん、久々の投稿ありがとうございます。 テリー・リード、名前だけは知っています。でも、ツェッペリン結成時にボーカリスト候補だったとは知りませんでした。テリー・リード自身の歌を聴いた事はありませんが、もし彼がツェッペリンに入っていたら、ロック史は大きく変わっていたのでしょうか? ボーカリストであると同時にギタリストでもあるそうですが、ソロアルバムだというのに、本領が発揮されていないとは、なんとも気の毒な事ですね。ミッキー・モストって、それほどヘンなプロデューサーではなかったはずなんですけどね(早寝早起きの健康的な生活を信条としていたので、夜通しダラダラとセッションが続くストーンズのプロデュースを断った、という話は一部では有名らしい) 確かに、違う人がプロデュースしていたらアルバムの出来も評価も違う物になっていたのかも。ほんとに不運な人ですね、テリー・リードって。もしかしたら、ベックを凌ぐ大スターになっていた可能性もあるのに。と、21世紀になった今、そんな事を考えながら、昔のアルバムを聴くのも一興でしょうか。 こういった、知られざる名盤もどんどん発掘されるべきですね。今なら、当時と違った評価かもしれないし。また、色々紹介して下さい。 |