みんなの名盤

投稿No.040 ゆーじさんの

ゲームミュージック私的名盤

 『ゲーム』、と言えばもう大分以前からコンピューター・ゲームを指す場合が圧倒的ではないでしょうか。ゲームセンター(アーケード)、家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、PCゲームソフトなど、種々様々なゲームが溢れかえっていますね。ただ何れの場合も、コンピューター・ゲームには場面に応じた効果音やBGMが多様に盛り込まれています。そしてその楽曲は、映画同様にサウンドトラック集としてCDで聴くことができますし、有名ゲームソフトであればリミックスアルバムも多数出されています。それらゲームミュージック(GM)のなかから、個人的に思い入れの強いものを選んでみました。

 その前に、ご紹介する私的名盤の大半を占める家庭用ゲーム機の歴史をざっと述べると、83年に任天堂が『ファミリーコンピュータ』を世に出し、ファミコン〜スーファミの任天堂黄金期を迎えます。ところが94年に32ビットゲーム機(3DO、サターン、プレイステーション、当時を次世代ゲーム機戦争と呼ぶ)が相次いで送り出され、任天堂の牙城が崩されてしまいます。その後2005年4月現在の状況は、PS2を擁するソニー・コンピュータ・エンタテイメント(SCE)が独走中、といった様相ですね。SCEはソニーグループの稼ぎ頭にまでなったようですが、米国のアタリショック、任天堂の陥落など、栄枯盛衰は世の常ですので果たしてこの先どうなるでしょう。

 私とコンピューター・ゲームの関わりを申し上げれば、中学時代に『スペースインベーダー』やりたさにゲームセンターに入り浸り(当時はインベーダーハウスなどと呼ばれることもあった)、大学時代に友人宅でファミコンの四人打麻雀やゼビウスをやった程度でした...と、そのへんで終わる兆しを見せたのですが、どういうわけか未だにゲームとの関わりを断てずに現在に至ってます。現役のゲーム機を持ってるわけではなく、今ではゲームそのものも殆ど知らないしやることもないのですが、どういうわけかゲームサントラのCDをジャケ買いしては聴いているといった具合です。
 音楽に関して言えば中学以降は欧米のロックに傾倒し、それについては今でもというか死ぬまで探究するのではないでしょうか。そしてもうひとつ、音楽ジャンルではテクノが大好きなのでして。中学時代にイエロー・マジック・オーケストラで洗礼を受けてはいましたがやがてその熱も醒め、十余年の月日が流れます。ところがあるとき職場の友人宅でやったゲーム、『リッジレーサー』によってテクノ熱が再燃し、GMを買い漁る日々が始まったというわけで。

 ひとくちにGMといっても、ゲームタイトルによって音楽ジャンルはバラバラで、大作ロールプレイング(RPG)ならオーケストラを導入していたり、レースゲーム・シューティングゲームならテクノが多数派です。私は性格的にRPGができない人間なのでそっち方面は見向きもしませんが、良質テクノを求めるがために、レースゲーム・シューティングゲームのサントラをレコード屋に行けば必ずチェックしています。そんなこんなで、申し上げたいことは、今や(知ってる人には今更かもしれませんが)ゲームのBGMは効果音などという付帯的な扱いでは決してなく、ひとつの楽曲集として立派なエンタテイメントなのだ。ハァハァ(←息切れするほど力説している)


『RIDGE RACER』/ナムコ 1994
職場の友人がプレイステーション(PS)を買ったというので、すでにアーケードで評判の高かったリッジレーサーを買わせたのだが、やらせてもらってビビリまくった。3Dレースゲームそのものの面白さは評判通りであったが(ナムコとセガはアーケードのレースゲームをリードして来た両巨頭である。ナムコのリッジ、セガのデイトナUSAはゲーセンに行けば二千円ぐらいはつぎ込んだ。)、なによりそのBGMが秀逸であり、私をGMに傾倒させるに至った記念碑的作品である。
楽曲はナムコスタッフが手掛けているというのも当時驚きであった。音楽担当は"namco sampling masters"という名称を用いているが、構成員の細江(めがてん)慎治・佐宗(AYA)綾子・佐野(電磁)信義の3氏による楽曲群はこれでもかというぐらいにブッ飛んでいる。タイトル曲『Ridge Racer』ほか、『Rare Hero』、『Rhythm shift』、『win win win』がお気に入り。そして何と言っても、ロッテルダムテクノ調の『ROTTERDAM NATION』は雑音とサンプリングの寄せ集めなのだが、とにかくそのイカレ具合がスゴすぎる。


『RIDGE RACER 2』/ナムコ 1994
アーケードではリッジレーサー2、PSソフトではリッジレーサー・レヴォリューションとして使用されていたサントラ。メンバーは前作の3人に相原(ぢょん)隆行氏が加わり、前作のリミックスに加え新曲多数の豪華盤。
私的目玉は新曲の、『Drive U 2 dancing』(リッジレーサー・レヴォリューションのTVCMに使われた)と『GRIP』。『Drive U 2 dancing』はイカレ系の極致で、『GRIP』はトランス系の名曲で疾走感がゾクゾクするほどイイ。両者とも未だによく聴くほどのお気に入り。
しか〜し何と言ってもこの曲!!『ROTTERDAM NATION 94』でしょう。前作のリミックスで凶悪さが倍増。もうね、誰が何と言おうとこの曲は、GM最強・最凶・究極・至高の名曲なのだ!!その曲を作り上げた細江(めがてん)慎治氏はすなわち神であり、そしてアルバム『RIDGE RACER 2』は、私の中ではロックの2大巨頭(クリムゾンとZEP)のアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』、『聖なる館』に匹敵する名盤なのだ!!


『PANZER DRAGOON』オリジナル・フル・サウンドバージョン/セガ 1995
30歳を目前に控えているという時に、『パンツァー・ドラグーン』のゲーム画面をテレビで見たが為にサターン本体購入を決意してしまったのですな。というわけで、次世代ゲーム機戦争にセガ陣営として加担することになったのだが、同時に買った同ソフトのオープニングデモムービーを見て度肝を抜かれた。スーファミ&メガドライブをすっ飛ばしていきなり32ビットマシンを体験すればそれも仕方ないかと思うが、映像もさることながらその舞台設定、シューティングゲームとしての発展に震えるほどの感銘を受けた。ゲームは(当時としては)驚くべきことに、プレイヤー(オレのこと)がドラゴンの背に乗り空を飛ぶが如く、浮遊感を味わうことが出来たのである。
楽曲は全て東祥高氏によるものである。氏はNHKの特集紀行番組の音楽制作を数多く手掛けた実力者であり、ゲーム本編の世界観・戦闘の臨場感を弥が上にも盛り上げてくれる秀逸な楽曲を提供してくれている。私的お気に入り曲を厳選すると、『Dragon fly to horizon 〜飛翔〜』(1面:曲の清々しさに知らぬまに涙ぐむほどイイ曲)、『Hiding worms 〜蟲〜』(2面:過酷な逃避行を思い知らされる寂寥感漂う佳曲)、『Sadness of ghostweapons 〜亡霊〜』(4面:一番思い入れの深いステージであり、その舞台設定は泣ける。)と4面のボス戦の曲(泣ける舞台設定でもありまた、そのカッコよさも秀逸)。
同作品はシリーズ化し、『パンツァー・ドラグーン・ツヴァイ』、『アゼル−パンツァー・ドラグーン・RPG』、『パンツァー・ドラグーン・オルタ』と続いているが、アゼルはRPGなので買ってはみたモノの途中放棄で、オルタはXBOXなので未プレイ(但しサントラは全て買っている)。ツヴァイは続編なので、ゲーム性としては勿論レベルアップし、サントラ楽曲もこれまた素晴らしいのであるが、思い入れの深さではやはり1作目のコレでしょう。誰が何と言おうと、我が魂のゲームなのだ!!(←イイ歳してなにを言ってるのか)


『RIDGE LASER』/ナムコ 1995
リッジレーサーの好評に気を良くしたナムコが、ファンサービスのレーザーディスクを作ってしまい、これはそのサントラCD。(プレーヤー無いくせにLDソフトも購入した)
佐宗AYA氏の手によるリッジレーサー2の楽曲のノンストップリミックスと、別アレンジ曲数点を収録。佐野電磁氏の『GRIP』のアレンジ『Had gripped』は蓄音機で鳴らしているかのような古めかしいシンフォニックナンバーに仕上がっており、これも間違いなく名曲。そして、GM界の神こと細江めがてん氏の『ROTTERDAM NATION 94』のアレンジ『Yzarc eruoy』は原曲のブチキレ具合そのまま維持しつつ、突き抜けるような滅茶苦茶な極上の出来映え。テクノのリミックスのお手本のような素晴らしさである。
ここでちょいと『Yzarc eruoy』のタイトルの意味を補足すると、元々リッジレーサーのゲーム本編ではBGM以外にも様々な煽りのナレーションが使われており、『ROTTERDAM NATION』ではそのひとつを逆回転させて曲中に放りこんでいる。それはコースを逆走した場合に発せられる警告(そんなものまで用意していることにいたく感心)のナレーション、"Hey ! You're trying for a goal by going the other way around , huh !? You're crazy !" でありこれが『ROTTERDAM NATION』の歌詞そのもの(逆回転で速度も変えているのでかなりイッちゃってます)。最後のユー・アー・クレイジーをタイトルに持ってきているのである。(もともと逆回転だからこれでいいのだ。)


ちなみに、これ以降↓のゲーム本編は一切やったことないので。でもCDを買ってしまう...


『RAYSTORM』NEU TANZ MIX/ZUNTATA タイトー 1997
ズンタタというのはタイトーの音楽制作スタッフの総称らしく、独自レーベルはもとより一時期はズンタタ名義でライヴまでやってしまうというほどのパワフルさがあった。(私もライヴアルバムひとつもっている。他のメンバーの楽曲も佳作多し。)
本アルバムは、シューティングゲーム『レイストーム』サントラのリミックス盤であり、全曲の作曲とアレンジをこなしたカワモトタマヨ氏の才能に敬服する。こういうアルバムの良いところは、ゲーム本編ではモードセレクト・ゲームオーバーなどのいかにもBGMだったものまでが、立派な楽曲に生まれ変わっていたりして非常に得した気分なのである。
楽曲では、『ORIGIN』、『GEOMETRIC CITY』、『AQUARIUM』、『INTOLERANCE』、『ENDLESS STAIRS』、『CERAMIC HEART』がお気に入りである。なかでも『ORIGIN』が好きであり、原曲は硬貨投入時の数秒のBGMだったらしいが、なんだかとてもダンサブル(←今でもこんな表現するのか?)な曲。『CERAMIC HEART』はフランス語(おそらく)の女性ヴォーカルが加わっており、イエロー・マジック・オーケストラでもあったが、テクノとフランス語女性ヴォーカルの取合せはとても好きだ。ヴォーカルが無機的であればあるほど良いのだ。


『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』プレイステーション・サウンドトラック/ソニー・コンピュータ・エンタテイメント 1997
確か原作は漫画であったような気がする程度の認識でしかなかった攻殻機動隊だが、サントラCDをジャケ買いし、聴いた途端鳥肌ものの衝撃を受けた。国内外のテクノの有名どころアーティストを取り揃えた布陣で、私にゲーム業界以外のテクノに目を向けるきっかけを与えてくれたアルバムである。(普通は入り方が逆かもしれんが)
実を言うと、1曲目の石野卓球の『GHOST IN THE SHELL』以外は正直殆ど思い入れが無いのであるが、この曲があるために私のなかでは名盤にケテーイなのである。この曲が持つ世界観、サイバーパンクというか未来的・退廃的な曲がテクノのひとつの理想形だと私は思う。
余談だが、このアルバムを聴くまで電気グルーヴは名前だけ、卓球は名前すら知らなかったが一気に電気周辺のアルバムを揃えてしまった。ここでまた幸運だったのが、当時の最新アルバム『A(エース)』をまず買ったら1曲目が『かっこいいジャンパー』で、もうね、この曲良過ぎなの。言うまでもなく電気にズブズブにハマッていきました。


『XEVIOUS 3D/G+』Techno Maniax/ナムコ 1997
同名サントラ(当然そっちも持っている。そっちは2枚組)のリミックスアルバム。8曲のうち3曲がナムコスタッフの手によるもので、残りは海外のリミキサーの作品である。特筆は佐野電磁氏が1曲手掛けており、他二人のナムコスタッフの曲も素晴らしい出来である。一方、海外リミキサー担当の曲は個人的に殆どどうでもよく、『〜攻殻〜』同様なのだが3曲が余りにも突出しているためこれも名盤。
ライナーのナムコスタッフのコメントにもあるが、ナムコの人間は原曲のイメージを残しているが海外のリミキサー(ゼビウス自体を知らないであろう)は徹底的に再構築している。それがリミックスの醍醐味という言には同意するが、個人的には日本人の手による原曲のイメージが残っている(日本人向け?)方が大概の場合において好きである。


『バッケンローダー』/セガ 1998
ゲームそのものをやるやらないに関わらずGMを求め続けるには、基本的に店頭ジャケ買いなのだが、ゲーム情報誌を立読みしディスクレビューのページをチェックすることもこの頃までは割と恥ずかしげもなく普通にやっていた...のだが、あるとき本屋で立読みしながら叫んでしまった。

( ゜д゜) <……

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゜д゜)

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゜ Д゜)  <エーッ!!

ディスクレビュー記事中にキング・クリムゾンの創設メンバーの一人であり、私が最も敬愛するアーティストであるイアン・マクドナルドの名前を見つけたときは↑のような感じ。セガのRPG『バッケンローダー』に楽曲を提供していると言う記事を見つけ驚愕した。
フォリナー脱退後はその名前を全くと言って良いほど聞かず、これまで音楽活動は全くやっていなかったのか?この仕事を引き受けるまでの経緯、一体どんなことがあったのか?その辺は近年のインタビューで語られているかもしれないが、当時は何もなく突然のことでありCDを手にするまで信じられなかった。スリーブにはごく簡単なインタビュー記事が掲載されていて、マクドナルド氏の当時の意欲的な姿勢が窺われるものであり、事実その後は来日公演を数回果たしてくれている。
同サントラのマクドナルド作品は3曲しかなく、何れも短めの小品といった趣であり、氏のキャリアの中で特筆されるべきものではないかもしれない。しかし、氏の作る曲を待ち詫びていた私には何より嬉しく、大切なライブラリーに加えられた。


『2197』/トルバドール・レコード 1999
前述の才能溢れるナムコの面々に対し、メジャーシーンでもやっていけるのではないだろうかと常々思っていた。事実、初対面であっても経歴でリッジレーサーシリーズを手掛けたと言えば、業界では非常に通りが良いと当人らは語っている。それほど評判の良い業績なのであろう。
そしてやはりというか、仕事以外でもこのような活動を行っていらしたのである。所謂インディーズレーベルのトルバドール・レコードから、ゲームのための音楽という制限を外された奔放な作品が数多く出されている。『2197』はそのなかで最もお気に入りの一枚である。(つまりインディーズにまで手を出しているのだ)
200年後の未来を想定したコンセプト(企画立ち上がりは97年だったらしい)に基づき描かれる楽曲群は、細江・佐宗・相原のナムコ勢と、光田康典・崎元仁・竹本晃といったGM界の大御所的メンツが合わさり、夢の豪華競演アルバムとなっている。
私が思い浮かべることのできる2197年の世界は(ありふれているとは思うが)退廃的でサイバーパンクそのまま、若しくは昼間でも分厚い灰色の雲に覆われた工業都市(どの工場もとても背が高い。そして陽光が全く届かない最下層で暮らす貧民が絶望に喘いでいたりする。)であり、どの曲もそれに相応しい緊迫感を醸し、そして時には淫靡な響きを孕んだ極上の出来映えである。


『RIDGE RACER V』オリジナル・ゲームサウンドトラック/ナムコ 2000
PS2本体と同時に発売されたリッジレーサーシリーズ最新作という触込みだった。ゲームそのものは未プレイなのだが、多分凄かったものと思う。(笑)
実は『RIDGE RACER 2』以降というもの、『RAVE RACER』(アーケード)、『RAGE RACER』(PS)、『R4』(PS)とゲームは続編が出されていたが、『RAVE RACER』を最後に、"namco sampling masters"のうち細江・佐宗・相原の3氏は既にナムコを去り(佐野電磁氏も後に退職、現在はフリー)、『RAGE RACER』はサントラ未発売、『R4』もフュージョンぽくなっちまって個人的には何の面白味もないという印象であった。正直、同シリーズも(ゲームそのものは続いても)終わりかと人知れず泣きたい気分であったのだが、それら落胆を一気に吹き飛ばす本作が登場した。

キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゜)キタ!( ゜∀)キタ!!( ゜∀゜ )キタ━━━!!

なわけで。リッジサウンド完全復活。後任のナムコスタッフがやってくれました。
1曲目『HydroPrism』はボコーダー(スゲェ好きなのだ)バリバリのプレリュード。これ聴いただけで脳天にクラクラきます。そして3曲目の『Euphoria』。退廃的大好きな私にはこれでもかというぐらい昂揚感が最高潮に。で、7曲目『Tsui Tsui』は待望のブチキレ系!!

キタワァ*・゜゜・*:.。..。.:*・゜(n'∀')η゜・*:.。. .。.:*・゜゜・* !!!!!

文句無しの名盤!!


『FANTAVISION』オリジナル・サウンドトラック/ソニー・コンピュータ・エンタテイメント 2000
PS2本体同時発売の2つ目。これまで挙げてきたアルバムは、あまり一般受けするものではないだろうという自覚が一応あるのだが、本作は誰でもが聴き易そうな楽曲集。デート向きと言ってよいかもしれない。夜景を堪能しながらのドライブとか。
ゲーム自体のTVCMは、花火が夜空を彩るCGを映していた記憶がある。花火のような古来のものを題材とした電脳世界への展開は、ファンタジックでいかにも夜景が似合いそうでしょう? 寺田創一氏の織り成す曲は、花火を待つ間のワクワク感、夏の夜の昂揚感、花火の優雅さ、夜空に咲く大輪に無意識に漏れる感嘆、佳境に入って息もつかせず次々に乱れ飛ぶ花火の迫力と観衆の熱狂、などが凝縮された夢見心地な世界である。


『ANUBIS - ZONE OF THE ENDERS』オリジナル・サウンドトラック/コナミ 2003
コナミは所謂『音ゲー』の先駆者であるのだが、ビーマニとかポップンとかのサントラは2〜3枚買ったらお腹いっぱいになってしまった。同じコナミだったらそれよりも往年のシューティング名作の『沙羅曼蛇』や『グラディウス』のリミックスアルバムの方が個人的には100倍ましである。
本作は、CDのプラケースがオレンジであり、墨絵で描かれたような戦闘用ロボットのスリーブがとても抽象的で、デザイン的にも即断、ジャケ買い久々の大当たりの本人ご満悦作品。
『Beyond the Bounds』というメインタイトル曲があり、その別アレンジである10曲目がメチャ良い。ノイズのようなあるいはショートサーキットのようなSEが散りばめられ、ボコーダーそして耽美で無機的な女性ボーカルというわけで、私的萌え(笑)要素満載のこれ1曲だけで名盤ケテーイ。


『スペースインベーダー大作戦』/various artists 東芝EMI 2003
スペースインベーダー25周年、スペシャル・コンピレーション・アルバムという触込み。なるほど、参加者は当代クラブミュージックシーンの大物クリエイターばかりである。自分がアルバムを所有している人を挙げれば、KEN ISHI、KAGAMI、TOWA TEI、KO KIMURA、DJ SHINKAWA、CHESTER BEAUTY、Q'HEY、CO-FUSION、つかこれだけでもスゴすぎ。メチャクチャ絢爛豪華。ゲームそのものに対する畏敬が、各人のテイストでバッチリ決まりまくった楽曲群もスゲェぜ。
冒頭でも書いてますが、個人的にもハマリまくったゲームなので本作を外すわけには行きますまいよ。参加者の各人も思い入れが多々ある様で、このゲームから与えてもらった、革新的ビジュアルとサウンド、娯楽の発展性と進化、を皆さん語っておられる。つまり、スペースインベーダーが彼らをその世界に引きこむきっかけになったといっても過言では無さそうでありますね。皆の人生を狂わせた罪深き名作、後年に伝えられるべき名作であることも必至なわけで、ボクらの心にいつまでも。


『History Repeats Itself』/たまソフト 2004
『ABANDONER』、『LOST CHILD』という2つのタイトルのカップリングでアレンジアルバム。帯には「小僧はお断り。大人専用の18禁」と書いてある。楽曲はそのとおりアダルトで、しっとりとしたピアノが全編にわたり繰り広げられる。まるで古い欧州映画を見ているような雰囲気かも(うーむ。なんと表現したものか)。聴く者の脳内に結構リアルで壮大なイマジネーションを1曲毎に与えてくれるというか、独特の気怠さにゾクゾクしてしまうというか、男女の機微の切なさを奏でるというか、Barのカウンターでひとりで飲む時にも合いそうだなと。(私の場合、実際においてその様なスタイルの酒の飲み方は皆無であるが...)
制作はkt2という人で、良い意味で職人気質という感じですね。本作は、飲みながら聴けばかなり浸れるでしょうね。ちなみにこれも数少ない一般受けしそうなアルバムです。


『SONG OF SAYA 沙耶の唄』オリジナル・サウンドトラック/ニトロプラス 2004
これはもう、どう表現すればいいのかわからないほどにスゲェアルバムを見つけてしまったというほどのスゲェアルバム。
例によってジャケ買いの一品で、十代半ば風の女のコの美麗なイラストがジャケットに描かれているのだが、その手首より先と下半身は臓物を思わせる植物風に変化している。絵柄はどことなく18禁PCゲームを匂わせるものだが(実際そうらしい。やはりというかグロな描写も多いらしい。)、中身は重厚且つ深遠。
1曲目『SCHIZOPHRENIA』、2曲目『SABBATH』。訳せば『精神分裂症』と『安息日』であり、構成が『クリムゾン・キングの宮殿』に似ているというか意識しているとしか思えないわけで、コンポーザーおよびプレーヤーの磯江俊道、神保伸太郎らの手腕に敬服。
何と言っても1曲目がスゲェのですね。出だしからコレでもかというぐらいのディストーションのギターリフに陶酔。退廃的で硬質で狂気に満ちた、慈愛などひとかけらもない世界を構築せしめる。一転して温か味に溢れた2曲目は、子守唄のような旋律で急速に安堵感が満たされ聴いてるうちに泣けてくる。そのほか『SEEK』、『SUNSET』、『SCREAM』、ヴォーカル曲『ガラスのくつ』など佳曲が多くて、マジお薦め。



MFCオーナーの感想
ゆーじさん、投稿ありがとうございました。
何でも、去年のプロ野球日本シリーズには既に企画が出来ていたそうですが、周知の通り中日が西武に負けてしまった為、気力が萎えて今までお蔵入りになっていたとか。そりゃそうですよね、僕も西武日本一決定の瞬間、へたへたと全ての気力が失せていってしまいました(笑)立ち直るのに数時間かかりましたね。「よし、来年こそはリベンジだ!」と言っても、球団創設50周年に優勝するのと51周年に優勝するのとでは、やはり重みが違います(爆)
とまぁ、気を取り直して(笑)中日には今年も頑張って貰うとしまして、ゆーじさんの投稿はなんと「ゲームミュージック」なのです。力作ですぞ、これは。日頃ゲームというものをほとんどしない僕からすると、全く未知の世界な訳ですが、実は有名な音楽家がBGMを手掛けている、というのは知ってました。確か『ファイナル・ファンタジー』はすぎやまこういちでしたっけ? ドリカムの中村正人が音楽を担当したのもあると聞きましたし、ゲームの主題歌がヒットしたりもして、今やゲームミュージックは立派な音楽ジャンルとして確立されているという訳なのですね。それにしても、昔よくやってたギャラガとか、BGMあったろうか?(笑) ゲームミュージックと聞いても、「パックマン・フィーバー」くらいしか思い浮かばない僕は完全に立ち遅れてますね。勉強せねば。
とにかく、一番驚いたのは、あの!イアン・マクドナルドがゲームのサントラに曲を提供してるという事実でした(笑) ゆーじさん、また投稿よろしくお願いしますね。新鮮なサプライズをワタシに(爆)
(今思い出しましたが、Windows95の起動時に流れる音楽は、ブライアン・イーノに依るものだそうですね。関係ない?失礼しました)


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