みんなの名盤

投稿No.020 K.Yさんの

今も心に残るライブ盤 10選 VOL.1

ALLMAN BROTHERS BAND-LIVE AT FILLMORE EAST (完全盤)

数多いロックのライブアルバムの中でも名演中の名演と言えばこのアルバムを外す訳にはいかない。
1971年に発売されたアルバムであるが今も不滅の輝きを放っている。
私も当時は何回聞いたか解らないほどに、ひょっとしてデュアンの霊にとり付かれたのか、むさぼるように
聞いていたアルバムである。また、ライブ・レコーディング時に於いてオリジナルアルバムには含まれなかった
フィルモアに於ける未発表ライブテイク数曲を追加し、アルバム、イート・ア・ピーチに収録されていた
MOUNTAIN JAMを加え1992年に発売された完全盤(2CD)の方がライブの構成上、また流れ的に見ても
納得がいく。
もし、これからこのアルバムを聞かれる方は完全盤をお勧めしたい。
デュアン・オールマンの素晴らしさについては今さら何も語ることはないだろう。
特にオープニングのSTATESBORO BLUESでの大空を駆け巡るような今にも息絶えて昇天するがごとく
この壮絶なるスライドプレーはどうだ! この一曲でデュアンのスライドプレーの素晴らしさが解る。
また、他のメンバーの力量は言うまでも無く長いインプロビゼーションに於けるDICKEY BETTSとの
掛け合いも見事だ。
このフィルモアでの演奏から数ヶ月後、バイクで走行中のデュアンはトラックと激突して24歳の短い生涯を
終えた。これからという時に,またしても素晴らしいプレイヤーがこの世から去ってしまったことは残念で
ならない。


THE ROLLING STONES-`GET YER YA-YA`S OUT!`

ブライアン・ジョーンズの後釜にミック・テイラーをギタリストに迎え1969、,ニューヨーク・マジソン・
スクウェアー.ガーデンに於けるライブ盤である。
今も私のお気に入りアルバムであり、ストーンズのライブ盤では一番好きなアルバムである。曲はどれも
これも超有名曲ばかりで選曲には申し分ない。
また演奏もこの頃はリードとリズムがきっちりと分かれていた時期でもあり、弱冠20歳ながらテイラーの
安定したギタープレイは随所で光る。
またこのアルバム自体の録音はすべてがマジソン・スクウェアー・ガーデンで録られたものなのであろうか?
と言うのはMIDNIGHT RAMBLER演奏中、突然、日本語でカッコイイ!! という叫びが入るが、あれを発した
のはもう亡くなってしまわれたが、今や伝説になってしまった日本のロックバンド、村八分のボーカリスト、
チャー坊であるという。生前、サンフランシスコ公演で確かに言った! と言うことをおっしゃっていたが、
そうするとMIDNIGHT RAMBLERの音源はマジソン・スクウェアー・ガーデンではなく、あの死者が出た
伝説のオルタモント公演から録られたものなのか、何れにせよストーンズのライブ盤は、かなりスタジオで
手直しされているとは聞くが、それにしても謎めいたアルバムではある。


FREE-FREE LIVE!

1971年、突然、彼等は来日した。特にその熱狂的なステージは来日公演を見た人の間では今なお
語り草になっている。このアルバムが発売された時、もはや彼等は解散していた。特に日本では人気が高く、
当時このアルバムも結構売れたのではないだろうか?
しかし、冷静に考えてみると現在このような音を出すバンドは、ほとんど無に近いといっても過言ではない。
多種多様な音楽が氾濫する現在に於いて、これもまた時の流れか。
またフリーの中でも骨格を担う一番若いベースのアンディー・フレイザーはこの時期、弱冠18歳で、
このような独特のベースラインを肉体化させ、かつ自然体でプレイしていること自体、信じられない気が
するが天才的な感覚を身につけた早期完成型のミュージシャンだったことには、違いないだろう。
いすれにせよ,すごいメンバーが集まったバンドだったことには違いない。


J.GEILS BAND-BLOW YOUR FACE OUT

彼等の地元、デトロイトに於けるステージを収録したライブアルバム。これも発売当時からよく聞いていた
アルバムである。
とにかく、アメリカンバンドにおいては抜群のノリの良さ、またステージングの旨さ、どれを取ってもお手本
みたいな素晴らしさである。メンバーもベテランぞろいなので誰か一人目立つということはせずに、あくまで
グループアンサンブルとして音と接しているという姿勢は見事の一言に尽きる。
特にキーボードのセス・ジャストマンは派手さはないがギターやボーカルのバックに回った時など音に対する
感覚の良さがよく表れてセンスの良さを感じる。また、ボーカルのピーター・ウルフも一時、D.Jをやっていた
だけに語りの旨さは抜群だし観客のあおり方もさすがだ。このアルバムは彼等の代表曲を納めていること
からベスト盤的な要素もあるライブアルバムである。


JOHNNY WINTER-LIVE JOHNNY WINTER AND

1971年発表のライブ盤。
とにもかくにもジョニー・ウインターのギタリストとしての特徴が良く出ているアルバムである。一方の
ギタリスト、リック・デリンジャーも好プレイである。GOOD MORNING LITTLE SCHOOL GIRLから始まり
JOHNNY B GOODEで終わるこのアルバムは何回聞いてもゾクゾクする。1976年にもこれでもか!
というように弾きまくっているライブ盤を発表したが私はむしろ、このジョニー・ウインター・アンドの方が
好みである。


LEE MORGAN-LIVE AT THE LIGHT HOUSE(3CD)

ジャズ・トランペッター、リー・モーガンの1970年におこなったジャズ・クラブでのライブ盤である。
学生時代、ジャズ喫茶(懐かしい言葉だ!)でよく聞いたアルバムである。当時はアナログ2枚組だったが
1996年にブルーノートレーベルがその時の未発表ライブテイクを追加して3枚組CDで発売された時、
いちもくさんで買ったアルバムでもある。音も抜群だしリーの長いインプロビゼーションでみせる
ブリリアントなソロの素晴らしいこと!! 全員がハイテンションでなおかつドラムのミッキー・ロッカーの
シンバルワークのスゴイこと。いちいち言い出せばキリがないがとにかくここでは神の成せる技か
素晴らしい演奏が目白押しだ。このアルバムから数年後、リー・モーガンはジャズ・クラブ、スラッグスで
演奏中、他の女性と不倫が原因で怒りをあらわにしたリーの妻によって射殺された。リー・モーガン、
32歳であった。


SONNY ROLLINS-ビレッジ・バンガードの夜

これもまた良く聞いたライブ盤である。
なんとここではトリオ、それもピアノレスによるサックス、ベース、ドラム、という当時(1957年)では
考えられないような大冒険をしているのだ。自身の音楽性を高めようとするチャレンジ精神は評価するが
何よりもグループにピアノが入ると、ソロのバックの和音に束縛されることになるが、ピアノがいなければ
より自由な吹奏が可能になることを考えたようである。
どの演奏も熱い!! またドラムのエルビン・ジョーンズのプレイも神技と声を大にして言いたい!!


BILL EVANS-WALTS FOR DEBBY
このアルバムもジャズを聞き始めた頃、しょっちゅう聞いていたライブ盤である。
私はピアニストに於いて、こと白人ではビル・エバンスが一番好きである。何とも透明感があり、
つややかな表情のピアノである。これこそ美の極致! と大声で叫びたい気分である。特にこの
ビレッジ・バンガードに於ける演奏は素晴らしい。またこのライブでは天才ベーシスト、スコット・ラファロが
参加しているという点でも貴重である。彼はこの演奏の数日後、自動車事故で他界してしまう。そのことを
考えるとなおさら貴重な演奏なのである。素晴らしい3人のインタープレイが聞けるこのアルバムは、
これからジャズを聴いてみようかな? と言う人にもオススメしたい。機会があればぜひ一度聞かれては
いかがかな?


MILES & MONK-AT NEW PORT

このアルバムはアナログ盤ではA面が1958年、7月3日、B面が1963年、7月4日とマイルスとモンクの
ニューポート・ジャズ・フェスティバルに於ける演奏を一枚のアナログ盤に納めたものである。モンクの演奏も
良いが、ここは当時のマイルス6重奏団の演奏が聞けるのが貴重だ。
メンバーがまたスゴイ! マイルス筆頭にキャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーン、ビル・エバンス、
ポール・チェンバース、ジミー・コブとくれば誰も文句が出まい。
内容が、これまたスゴイ。このハイテンションぶりは通常ではない。全員がシラフ? だったかどうかは
知らないがマイルス以下、一丸となって瞬間の芸術,ヒラメキの世界に突入だ!!


JIMI HENDRIX-HENDRIX IN THE WEST

彼の死後、1972年に発表されたライブ盤である。彼のライブ盤は、ほかにも、いろいろ出ているが
やはり当時良く聞いていたものとしては思い出深い一枚なのでここで取り上げることにした。内容は
一箇所でのライブではなく、いろんな場所での曲が含まれている。特にJOHNNY B GOODEに於ける
ステージ・パフォーマンスはこのアルバムに入っているバークレイでのプレイが映像で見ることが出来る。
いくらお客から金を取っているとはゆえ、歯でギターを弾くなどというパフォーマンスを試みた人というのは
この人が最初であろう。何だか昔はそういう奇怪な行動ばかりが目立っていた時もあったが。。。
しかし、彼はまた優れた作曲家でもあった。ギタープレイにおいても彼は彼なりにギターでごく自然発生的に
感情をおもむくままに出したに過ぎない。当たり前のことだが音はコピー出来ても感情まではコピー
出来ないし、コピーからは何も生まれない。そんなことを知りつつジミは笑いながらこっちを見ているのかな?

PS 思いついた思い出のライブ盤を10枚自分ながらに取り上げました。いずれも良く聞いていたもの
ばかりですし、現在もなお聞き続けているものもあり、なかなか絞り込むのは大変です。そんなこともあって、
とりあえずVOL.1としておきましょう。また機会があれは続きということでVOL.2を載せたいですね。
最後までお付き合いありがとうございました。では,また!!



MFCオーナーの感想
K.Yさん、続けての投稿、誠にありがとうございます。
今回は、オールマン・ブラザーズ・バンド、フリー、J・ガイルズ・バンド、とうちの「名盤100選」でもセレクトしているアルバムが入ってまして、馴染みやすかったです(笑) それにしても、シブいセレクションですね、ほんと感心するばかりです。“ジョニー・ウィンターが好き”なんて、さらりと言える人は近頃ではそうはいないと思いますよ。
K.Yさんの得意分野と思われますジャズについても、このコメントを読んでいると、ほんと聴きたくなってきますね。特に、ドラマーである僕としては、K.Yさんがドラムを絶賛しているリー・モーガンとソニー・ロリンズのライブ・アルバムに非常に興味が湧いてきました。マジで探してみますか(笑)
前回と同様、それぞれのアルバムやアーティストに対する熱いコメントが素晴らしいです。機会があれば、なんておっしゃらず、是非VOL.2をお願いします(笑) 楽しみに待ってますので。


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