今年(2002年)4月に5年振りの来日を果たすダリル・ホール&ジョン・オーツ、 僕も見に行く事になったので、それを記念しまして(笑) ホール&オーツのアルバムの中から3枚セレクトしてみました。 1.ALONG THE RED LEDGE 1978年発表。邦題『赤い断層』。当サイトの「私選名盤100選」でも 取り上げている個人的には一番好きなアルバムです。本作発表当時、彼らは セールス的に苦戦しており、デビッド・フォスターをプロデューサーに迎えて AOR的な味付けを試みた、という事なのでしょうけど、A面に関しては成功している と言えるでしょう。少し靄のかかったようなエコーの中で、ダリル・ホールの ボーカルが切なげに響いてきて、楽曲の出来もあって素晴らしいです。 所がB面へ行くと、いきなりA面が嘘のようなロックンロール大会。ジョン・オーツの 頑張りが目立ちます。こちらも爽快で実にカッコいい。 A面とB面とで異なる顔を見せた彼ら、曲作りのセンス・歌の上手さ等々その実力 を存分に見せつけた名盤です。彼らの輝かしいキュリアの中では地味な アルバムですけど(笑) 推薦曲:It’s A Laugh,Melody For A Memory 2.BIGGER THAN BOTH OF US 1977年発表。邦題『ロックン・ソウル』。初の全米bPヒットを出したアルバム。 この頃彼らは“ブルー・アイド・ソウル”として紹介されていましたが、 その呼び名に恥じないソウルフルで洗練された彼ら独自のサウンドを確立した 名盤と言えるでしょう。後年の彼らはダリル・ホールばかりが目立つように なってしまいましたが、この頃は二人の音楽性が拮抗しており、 ソフィスティケイトされたホールにソウルフルなオーツ、という個性の違いも明確で そこいらが何度聴いても飽きない所以だと思います。結局このバランスが崩れ 始めた頃から僕は彼らへの興味が薄れていったのかもしれません。 推薦曲:Back Together Again,London Luck And Love 3.ABANDONED LUNCHONETTE このアルバムは後追いなんで、いつ頃出たのかよく分かりませんが(多分1974年 か1975年)、ファンの間ではアトランティック時代の最高傑作と言われています。 確かに素晴らしい。このアルバムでは“ブルー・アイド・ソウル”という感じはせず、 全編を通してアコースティック・ギターの響きが耳に残る爽やかなサウンドです。 この頃の彼らは二人でアコギを弾きながらツアーしてたのでしょうか。 後年再ヒットして注目された「シーズ・ゴーン」がアレンジといい何といい素晴らしい 出来なのですが、他の曲も負けず劣らず名曲揃い。パーフェクトに近いアルバムと 言っていいのでは。この頃から彼らは曲作りに長けていた事がよく分かります。 ちなみにプロデュースはあの、アリフ・マーディンです。 推薦曲:She’s Gone,Till The Morning Comes 連発だった80年代より70年代の彼らの方が好きだ、という事ですね。 たまにはこういうのもいいでしょ?(爆) 来日公演楽しみです。 |
MFCオーナーの感想 |
またしても自分で投稿してすいません(笑) 今回はホール&オーツという事で、それでも世間の評価とは違う結果となってしまいました(爆) 誤解のないように言っておきますが、80年代のホール&オーツは嫌いだというのではないです。もちろん、曲の良さは変わってないし、好きな曲も多いです。「マンイーター」「キッス・オン・マイ・リスト」「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」等々。ただ、アルバム単位では何故か魅力が感じられませんでした。やはり、本文でも触れた二人の音楽性のバランスが崩れてきた(ように見えた)のが、結果として面白味に欠けるように感じられたのでしょう。ま、単なる趣味というこで、解釈して下さいな(笑) それにしても90年代に入ってから失速してしまったホール&オーツ、近々新作が出るという噂もあるし、是非70・80年代の輝きを取り戻して欲しいです。 |