比較的クラシックな渋味のロックを好まれる方が多いように見受けられるオーナー さんのサイト。QUEENやJOURNEYも聞く僕ですが、あえて渋いロック・ファンに接点が なさそうなイマドキ音楽を3つほど選んでみました。どれも2000年にリリースされた ものばかりですが、「なんだこれ、うるさいけどプログレみたいじゃん」とか、親近感を 持ってもらえれば嬉しいです。 「Chocolate Starfish and the Hot-Dog Flavored Water / LIMP BIZKIT」 オーナーさんも「最近のお気に入り」で取り上げられていた「チョコ☆」、ビルボードで 「最初の1週間での最も売れたロック・アルバム」の記録を更新したバカ売れアルバム がこれです。 アルバムタイトルは「チョコ味のお尻の穴とホットドッグ味の水」、もっと露骨に直訳 すると「ケツの穴とおしっこ(下品ですみません)」。 リンプ・ビズキットの音楽性はまさしくこのタイトルそのものです。 下品という意味ではなく、お尻と尿道の間のような、そんななんと呼んで良いのか わからない微妙な空間と同じ「何ともいえない音」だということです。 俗に「ラップ・メタル」と言われるように、彼らの音楽はヒップホップ、ロック、ハードコア のごった煮でジャンル分けするのも馬鹿馬鹿しくなるようなミクスチャー。まさしくここは お尻なのか、ホットドッグなのか、迷子になってしまいます。そんな曖昧さを「居心地が 悪い」と感じるか「快適空間」と感じるかは人それぞれなのでしょうが、数あるミクス チャー・ラップ・メタルの中でもリンプの特徴は「圧倒的にキャッチー」ということです。 ファックシットキルユーヘイチューと連発されても、なぜかサビでは一緒に「ロリン ローリンローリン」と手を振ってしまうヒップ「ポップ」。なんだイマドキロック恐るに 足らず、とポップス感覚で聴いて頂ければ幸いです。 「HOLY WOOD / MARILYN MANSON」 「父さん 母さん ありがとう♪」 で始まる歌といえばオーナーさんもファンらしいモーニング娘。ですが、この後 「このクソみたいな世界に俺を産んでくれてマジでありがとう」と続いたら、そのバンド がマリリン・マンソンです。 このアルバムはコロラド州での銃乱射事件の犯人に精神的影響を与えた、 と猛バッシングを食らったマリリン兄さんからの反撃アルバムだそうで、教会批判と 腐ったアメリカ研究がてんこ盛りです。日本人にはわかりにくいキリスト教批判、しかも アルバムが3つのパートに別れてストーリーがあったりとプログレみたいな面も ありますが、下世話にポップな曲ばかり17曲も入ってるので、この吐いてるような声に さえ抵抗がなければ「話題のアルバム」としてすんなり聴けるんじゃないでしょうか。 僕は記者会見で「今もし魔法の杖を渡されたらどうしますか?」と訊かれて「お前の ケツに突っ込むぜ、ヘヘヘ」と応えたマリリン・マンソン御大を生で見たのですが、 やはり凄い存在感でした。ロックに存在感を求める方なら、必聴です。 「Disposable Teens(使い捨て10代)」という曲で「Disposable!!」と熱唱した あと急に「Teens...」とか細い声になってしまうマリリン兄さん。「ティーンの声を代弁 とか言って実は俺だってもう若くねえんだよなぁ」そんなぼやきが聞こえてきそうな 30代男性への応援歌、と言ってはうちのイトコに失礼でしょうか。 「Relation of Command / at the drive-in」 NIRVANAの後継者とかポストRage Against The Machineとか、一部音楽誌で 大評判のat the drive-inのメジャーデビュー盤です。基本はロックなんですが、 ビースティ・ボーイズ主宰のレーベルからリリースしただけあって、これまたごった煮 ミクスチャー(前出のリンプよりは遥かにロック寄りです)。 一見ロックの最先端を行くようなイメージの彼らですが、今回取り上げたのはこの アルバムこそ「イマドキロック恐るに足らず」の象徴のような音だからです。最初に 聴くと轟音ギターとヒステリックなボーカルに騙されてしまいますが、2回3回と聴く うちに「あ、ビートルズっぽいな」「ここはクラッシュ風」「イーグルスじゃん」と思える フレーズがあちらこちらに出てきます。 うるさいけど、なんとなく懐かしい。 僕はリアルタイムで経験したわけではないので知ったかぶりはできませんが、そんな 印象を受けるのではないでしょうか。音はかなりかけ離れていますが、「革新的なスタ イルで懐かしい事をやる」という意味では解散してしまったベン・フォールズ・ファイブ に近いと思います。 蛇足ですが、ボーカルはアフロです。これも懐かしい人には懐かしいのかも しれませんね(笑) |
MFCオーナーの感想 |
しまけんさん、投稿ありがとうございます。 上記3枚のうち、リンプ以外は聴いた事ありません。アット・ザ・ドライブ・イン、というバンドに至っては名前を聞くのすら初めてです。でも、しまけんさんの投稿を読んでいると「俺にもついていけそうだから、聴いてみようか」と思った聴かず嫌いの人も結構いるのではないですか?(笑) 僕をはじめ、しまけんさんの仰る通り、当サイトに集まる人は70年代とかの古いロックを好む人が多いです。ただ、誤解のないように言っておきますけど、決してノスタルジーに浸ってばかりではないのですね。あの頃のロックが好きな人でも、今のバンドが自分の求める音を出していれば、新しいのを聴くだろうと思うんです。古いロックにこだわっているのではなく、単にあの手の音が好きな訳ですから。しかし、現実仲々そういうバンドに出会えない、という事なんです。もちろん、70年代の音を再現しようとして、単にマニアックでオタクな世界にハマッて自己満足しているアーティストはいますが、そんな未来のない音など聴く気になれないのです(あえて実名をあげると、レニー・クラビッツ)。テクノロジーを駆使して作り上げた昔の音もどきを聴くくらいなら、古いレコード聴いたほうがずっとまし、と思っている人は多いでしょう。音は真似できてもレコードに封じ込められた当時の空気までは絶対再現できないからです。 今のロックを感じたければ、リンプ・ビズキットやマリリン・マンソン、又はここには名前が挙がってませんがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、BECKなどのアーティストを聴いたほうがずっといいと思います。彼らは正に現代の空気を感じさせるからです。ついていけない70年代ロック・オヤジは多いかもしれませんが(爆)。こればかりは好みの問題なんで、仕方ないか...。 ま、そういう訳で、そこの70年代ロック大好きのあなた、明日CDショップでリンプ・ビズキットなど手にとってみては如何?(笑) |