File 31 フラッシュ・ゴードン(1980年・アメリカ) FLASH GORDON 監督: マイク・ホッジス 音楽: クイーン、ハワード・ブレイク 出演: サム・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー、メロディ・アンダーソン、オルネラ・ムーティ、 ティモシー・ダルトン、スーザン・ダニエル、マリアンジェラ・メラート、トポル、 以下、結構ひどいことも書いているという気もするのですが、愛情の裏返しということで ご容赦ください。 さて、このフラッシュゴードンという作品、 B級の中の超B級映画。いやいやもしかしたらC級かも知れない。かといってロッキーホラ ーショーのように一部カルトな人気があるかというとそんなこともない。 とりあえずクィーンが全面的にサントラを作ったというだけの映画という認識が一般的で あろう。まあ普通の人は観ない(っていうか知らないかも、、笑)しかーし、私は当時結構 熱狂的に観たクチである。(まあ音楽があっての話なんですが。。。) まずオープニング。これが素晴らしい。アメコミのカットが絶妙で、期待感を抱かせるのに 十分な出来である。しかし、そのあとがいけません(笑)ヒョウが降ってくるシーンなのだが 、このヒョウが実にチープで、ああB級映画でしたな、と思わせる瞬間である(爆) そんなこんなでフラッシュご一行は旅立つわけだが(はしょりまくり)特撮も実にチープ なので観ていて楽しい。(おいおい) んでフットボールファイトみたいなナイスなコミックバトルをはじめとしてひたすらチープに ストーリーは続いていく。衣装だけはお金がかかっているみたいだが。(なんてったて制作 費約80億円!赤字必至) 個人的にはやはり後半、いよいよフラッシュがホークマン達とともにミン皇帝の要塞に 突入する一連のシーンが大好きだ。とにかく音楽と妙にマッチしている所が素晴らしい。 フラッシュトゥザレスキューから例のあのバスドラが響き緊張感を盛り上げる。そしてホー クマンたちの突入では高らかにキーボードが鳴り響き、(またホークマンの移動速度が 遅い&ワイヤー見えまくり、爆)ついにフラッシュが動き出すところでは、ブライアンのギタ ーオーケストレーションが爆発の宇宙戦争のテーマへ。 この疾走感は素晴らしいのだが、あいかわらずホークマンはとろい、笑。そしてシーンは ひとり突入するフラッシュと要塞での結婚式のシーンを交互に映し出し(ここでフラッシュ がスクリーンに現れる度にフラッシュ!とコーラスが入るのはたまらん)そして偶然にも (笑)ミン皇帝を倒してしまう。そしてラスト、ホークマンたちの一文字(いや鷹人間だから 鳥文字か)で空中にTHANX FLASHと、まあ椅子から転げ落ちることになる訳だが、 これがTV放映時は最悪である。映画なら字幕で、ありがとうフラッシュ、となる。これは なんとか許す。しかし、TVでは吹き替えのせいか、おっちゃん何人かで、ありがとーフラー ッシュ、とアフレコしちゃっているのだ。ふざけんなこのヤローである。 勿論、このあとはTHE HEROがエンディングクレジットで流れ、いい気分に浸れるわけ だが、当然TVではカット。諸行無常である。 というわけでひとりカルトに入っている気分にさせられる実に愛すべき超B級作品なので ある。 しかし出来あがった作品を観て配給会社のひとたちはなんと思ったのだろうか。。。いや いやジョージルーカス監督はどう思ったのか、これは非常に気になるところである。 <いまちさん 投稿日2005.8.4> う〜む、この映画に関しては何を語ればいいものか... はっきり言ってB級である。いや、それ以下かもしれない。実は結構B級好きな僕でさえ、 この映画の感想はと問われると「つまらない」としか答えようがないのだから。そんなB級 (以下?)の映画だが、一応DVD化もされていて、時の流れに埋もれてしまう事なく、 多少は世間に知られているのは、「音楽=クイーン」という付加価値によるものである、と 僕は断言してしまう(笑) 実際、あちこちで言ってるけど、クイーンの音楽は実に素晴らし い。見ている時は決して邪魔をせずに場面を盛り上げ、サントラだけ聴いている時は映像 を喚起させる(見ててても見てなくても)。正に映画音楽の鑑と言っていい。このサントラ盤 が、クイーンのオリジナル・アルバムとして店頭に並んでいるからこそ、映画本体もその 存在を忘れられずに済んでいるのだ。この映画のプロデューサー最大のヒットは、クイー ンを起用した事にある。色々な意味でね(笑) 今回、この原稿を書くにあたて、資料を見てみたら、マックス・フォン・シドーとかトポルと か、シブい人たちも出演してたのね。どこに出ていたか、全く思い出せないけど(苦笑) 2005.8.12 |
File 32 シルミド/SILMIDO(2003年・韓国) 実尾島 監督: カン・ウソク 音楽: チョ・ヨンソク、ハン・ジェグオン 出演: アン・ソンギ、ソル・ギョング、ホ・ジュノ、チョン・ジェヨン、イム・ウォニ、カン・ソンジン、 カン・シニル、イ・ジョンホン ’68年、韓国の話。死刑囚や重犯罪者たちが無人島のシルミ島に送られました。彼らは 刑の帳消しと引き換えに、極秘任務を政府から与えられます。北朝鮮の最高指導者・ 金日成の暗殺という任務。 気の荒い囚人たちが最初から連帯意識なんて持てるわけありません。当然些細なことで ぶつかります。でもだまっていれば死刑。だったらば…と過酷な訓練をはじめます。 無事任務を遂行できればお国の英雄になれると信じ、祖国統一の願いのもと日々訓練。 囚人と軍人の間にも不思議な信頼感のようなものが芽生えてきます。部隊の士気も 高まって、いよいよ任務の決行、という時に政府の外交政策の転換で暗殺計画は中止。 しかも政府はこの部隊の抹殺を軍に命じます。 外交政策はともかく、部隊抹殺に納得できない上官。上層部にかけ合うが「期日まで抹殺 しなければ命令違反として、本国から別の軍を出し、軍もろとも抹殺する」… 実在した684部隊が起こした事件をもとに作られた映画だそうです。 もとは、死刑囚なのだから、同情しちゃだめ。 と自分に言い聞かせながら涙してしまい ました。 終わった後、悲しみ、怒りがじわじわ わいてきた映画でした。 楽しいとか、面白い映画ではないけど、多くの人に見て欲しいと思う映画です。 この映画、女性が3.4人しか出てきません。男性ばかりの映画です。 <tom nyajyaさん 投稿日2005.8.6> |
File 33 TAXI NY(2004年・アメリカ/フランス) TAXI 監督: ティム・ストーリー 出演: クイーン・ラティファ、ジミー・ファロン、ジゼル・ブンチェン、ジェニファー・エスポジート、 アン=マーグレット、ヘンリー・シモンズ リュック・ベッソンの製作のフランス映画「TAXI」のハリウッドリメイク版。 ここからの2作品はカーアクション。GT馬鹿にはもってこいです(笑) まずは「TAXI NY」のほうから。 元になっているフランス映画のほうはシリーズ化されていて現在、Vまであります。 タクシーはシリーズを追うごとに改造されていきます。主人公のタクシードライバーと 車の免許がない警官。その2人が強盗を追う。 「TAXI NY」の方はタクシードライバーが女性。 相棒も警官。運転が苦手。 そして、強盗は美女4人。 真っ赤なBMWで逃走します。 そんな、目立つ車で銀行強盗をするのですが、警察は真っ赤なBMWを見失います。 途中で・・・・ 青いBMWにのる美女4人。 「TAXY」の方では車のカラーを塗り替えるのですが、こちらの美女たちは・・・おお〜。 「TAXY」も「TAXY NY」も見たあとに爽快感のある映画です。 <tom nyajyaさん 投稿日2005.8.6> |
File 34 ワイルド・レーサー(2004年・ドイツ) AUTOBANHNRACER 監督: ミヒャエル・ケウシュ 出演: ルーク・J・ウィルキンス、ニルス・ブルーノ・シュミット、クリスチャン・エリク・キーリング、 アレクサンドラ・ネルデル 「ワイルド・レーサー」も、さえない警官が登場。 こちらは、高級車ばかりを狙う窃盗犯を追います。 ドイツのアウトバーンが舞台。ランボルギーニ、フェラーリ、マセラッティ、ポルシェ。 名前を聞いただけでもすごい車ばかりでわくわく。 窃盗犯がいるかもしれない。と違法の公道で行なわれるレースに参加する ちょっとドジな警官。 このレースの勝敗をきめるのに利用するのが スピード違反の車を撮影する警察の 取締りのカメラ。 本来なら、スピード違反の証拠写真がレースの判定。 警察もなめられたもんです。 しかし、このレースの参加者には窃盗犯はいませんでした。 レースの参加者の中に無免許の少年がいました。正確には仮免。 高速教習中に窃盗犯を目撃。教官が目を放した隙に教習者で追跡・・・・とまでは 良かったけど、あっけなく御用。そこで先日のレースに参加していた警官とはちあわせ。 警官であることがバレてしまったけど、レース仲間で窃盗犯を捕まえようという運びに なります。 パトカーも窃盗犯追跡用に上司が注文していたポルシェを 勝手に持ち出します。 レース参加車に「スマート」がありましたが、この小回りの利く車が大活躍。 立体駐車場で 下の階を封鎖されてしまうのですが、その脱出に利用したのは「ちん!」 エレベーター! カーアクションとしては TAXIシリーズのほうが面白いかな・・・ でもどちらも 爽快! もともと、カーアクションの映画は好きです。 そのへんにも レースにはまる要因があったのでしょうかね。 <tom nyajyaさん 投稿日2005.8.6> |
File 35 ジーリ(2003年・アメリカ) GIGLI 監督: マーティン・ブレスト 音楽: ジョン・パウエル 出演: ベン・アフレック、ジェニファー・ロペス、レイニー・カザン、テリー・カミレッリ、レニー・ヴェニート クリストファー・ウォーケン、アル・パチーノ、ジャスティン・バーサ こういうコーナーの前置きでこんなことを言うのも何なのだが、僕はあまり映画を見る方 ではない。むしろ......ことに最近の映画については勝手に悪い印象を抱いている節が ある。偏見を承知で言うなら、映画は女性のための娯楽という感じがするのだ。あの共感 を押し売りする出口調査風のCMや、坂上みきや石川三千花の印象が悪過ぎるのかも しれないが。今や映画という娯楽は彼女等の持ち物になってしまったと思う。 ただ、自分のアンテナに引っかかった、「これは見たい!」と思ったものに関してはピン ポイントで見ている。小学生のころに邦画嫌いの親に頼み込んで連れて行ってもらった 「唐獅子株式会社」を皮切りに、「ニューシネマ・パラダイス」や「ブラス!」はかなり遠い 街の映画館まで見に行ったし、「天国の門」は日本版のDVDが出ると知ったその日に お店に予約を入れた。今一番見たい映画は小川紳介の「ニッポン国古屋敷村」だが、 なにぶん商業映画ではないので、何かの機会を待つしかないと思う。 で、「ジーリ」である。ご存知の通り、公開前から何かとゴシップの対象として叩かれまくり 、結局その年の最低映画に贈られる、ラスベリー賞6部門を総なめにした「話題作」だ。 ここまでこき下ろされると返ってどんな映画か見てみたくなるもので、DVDを借りて観る ことにした。 確かに評判通り感動も何もなく、生煮えのような状態がずるずると続いていき、実におざ なりなハッピーエンドで終わる。アル・パチーノやクリストファー・ウォーケンら、取って付け たように起用された大物俳優も追い討ちをかけている。 しかし、観て行くうちにこれを一方的に駄作と決め付けるのでは間違いではないか、と 思うようになった。つまり一つ一つのダメ要素が何も考えずにやってたらこうなりました、 というものではなくいちいち周到なのである。ベン・アフレック扮するいかにもなチンピラや 、やたらと理屈をこねたがるジェニファー・ロペス扮する謎の女といったキャラクター設定 から、NYの大物が裁判を有利に進められるように、審議官の弟(知的障害)を誘拐し、 「人質の親指を切って送れ」という命令を実行できず、別の死体の指を切って送り付ける 主人公二人...といったシナリオ面、そして場面転換ごとに意味なく服を着替えて、スクリー ンの前の女性客にストーリーとは関係ないアピールを続けるジェニファー・ロペス...。作品 全体を包む、この何とも知れない「頭の悪さ」こそが、実は本作の核なのではないか。 それに気付いた時、溜まっていたダルな印象は痛快さに裏返った。当代きっての 「セレブ」なカップルを使って、ショウビズ界に巣食う俗物根性に思い切りベロを出して 見せたのが本作なのである。劇中やエンドロールで、知的障害の人質・ブライアンがノリ ノリで歌う下ネタ全開のラップこそ、その証拠に他ならない。 ラズベリー賞は偉大だ。こういう作品を埋もれさせなかったのだから。 <fxhud402さん 投稿日2005.9.3> |
File 36 亡国のイージス(2005年・日本) 監督: 阪本順治 音楽: トレバー・ジョーンズ 出演: 真田広之、 寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼、吉田栄作、谷原章介 、豊原功補、 佐々木勝彦、天田俊明、鹿内孝、平泉成、岸部一徳、原田美枝子、原田芳雄 久々に映画館で映画、それも日本映画を見たので、今回はその『亡国のイージス』に ついて書いてみたい。ま、結論から言うと、仲々面白かったのである。福井晴敏の原作を 読んでいないとあまり面白くない、という話も聞いていたので、原作読んでない僕としては やや不安だった訳だが、面白かったのでホッとした次第(笑) ただ導入部はちと分かりづらいのではなかろうか。かなり前評判が高く、宣伝もしていた ので、原作読んでない僕でも、ある程度のストーリーは頭に入っていたからついていけた けど、予備知識ゼロの人だったらまずストーリーが理解出来ないだろう。一緒に見に 行った連れも、最初で躓いて話の展開についていけなかったらしい。 にもかかわらず、画面の迫力で最後まで一気に見せてしまうパワーが、この映画には ある。前述の連れも、ストーリーは分からなくても最後まで飽きずに見れたそうだ。これは 大変重要な事である。映画という物が娯楽である以上、金払ってつまらない物見せられた 、と観客に感じさせてはいけないのだ。その点では、合格点を与えられる映画といえる。 どことなく、近頃のハリウッド映画みたいな感じはするが(苦笑) 別の視点からすると、物足りない面もある。「現在の日本は、本当に守るべき価値のある 国なのか」という、ヘビーなフレーズが冒頭から飛び出すが、このテーマをもっと掘り下げ てもよかったのではないか。何か、こう、食い足りない感じがするのだ。最新鋭イージス艦 「いそかぜ」を乗っ取る連中の主義・主張も、今いち伝わってこないし。だいたい、こんな 大それた事をしておきながら、日本政府に対する要求がなんとなくセコい。アメリカが開発 したGUSOHと呼ばれる新型爆弾の存在を公表しろとか、何者かに殺された防衛大生の 論文を大手5大新聞に掲載しろとか、なんかこう、弱い感じがするんだな。どうせなら、 もっと国家の存在を揺るがすくらいの要求をして欲しいものだが。実際、「いそかぜ」乗っ 取りを受けて、緊急対策本部が設置されるのだが、首相以下そんなに悩み抜いている 様子がない(笑) この事件のキーとなる“防衛大生の論文”が、映画の中ではちゃんと 紹介されないので、本当に重要な物なのかどうかも不明のまま。中井貴一演じる北朝鮮 (多分)の工作員が、再三日本人の危機意識のなさを非難するセリフを口にするが、周囲 のツッコミが甘いので、セリフ自体宙に浮いてしまってる気がする。軍備も含めての“国家 の在り方”みたいな物に、もっと触れて欲しかったと思った。 そういう、ちょっとした不満はあるが、出演者は皆好演・熱演だし(吉田栄作が出てた なんて、エンドタイトルロールを見るまで気がつかなかった^^;)、前述したように、画面に チカラがあるので、面白く見れるのは確か。敵が占領する「いそかぜ」に単身潜り込み 奮闘する真田広之が、クールなキャラが多い中でただ一人熱く(言い換えればアナクロな キャラ)、非常時なのにブツブツと文句を言いながら動き回るのを見ていると、『ダイ・ハー ド』のブルース・ウィルスを連想してしまう。うん、そう、正に真田版『ダイ・ハード』だ(笑) 本物のイージス艦でもロケを行ったというだけあり、ディテールは見事で兵器・軍事マニア にはたまらんだろう。個人的には、最新鋭といっても昔とあまり変わらんなぁ、なんて思っ たけど(笑) お金をかけただけの作品には十分なっていると思う。 要するに、日本映画ではあるが、とてもハリウッド的にまとめられているのである。テーマ は弱くとも、娯楽作品としては水準高い。が、あとに残るものがないのも同じ(苦笑) 最後では真田を除く全員を死なせてしまって、全て終わりにしてるし。でも、日本映画に ありがちな、BGMや効果音が大きすぎて肝心のセリフが聞き取れない、なんて事もなか ったし、個人的には満足だった。 2005.9.19 |